1年で「黒字化」の上海ディズニー その経営方法とは?
上海ディズニーリゾートは、公式ホームページ、パーク内アプリ、フォトパスアプリだけではなく、微信(WeChat)や微博(Weibo)にも公式アカウントを持ち、更には天猫(Tmall)に1つ、旅行総合サイトの飞猪(Fliggy)に2つのオンライン店舗を保有しています。
目次
はじめに
ディズニーの中国進出は、1930年代に遡ります。当時、中国国内では「白雪姫と七人の小人」がディズニーアニメとして初めて放映されました。2005年9月、ディズニーは中国初のテーマパークとなる香港ディズニーランドを正式にオープンしました。2011年4月8日には、中国大陸初のディズニーテーマパークとなる上海ディズニーリゾートが着工しました。2016年6月16日、上海ディズニーリゾートは正式に営業を開始しました。初めて営業収益を獲得出来るようになったのは2017年10月末であり、来場者数は2,700万名を突破していました。
テーマパークの運営面では、絶えず改善を行い、より多くのテーマイベント、グリーティングイベントを企画し、多くのディズニーキャラクターを取り入れました。2018年4月26日、上海ディズニーリゾートは、7つ目のテーマエリアとなる「トイ・ストーリーランド」を全面オープンしました。
現在、ディズニーという巨大なIPアドレスは、インターネットから様々な攻撃を受けています。現段階では、たとえテーマパークやリゾートエリア内の業務が、時間と空間的な要因(システム会社が短時間のうちに完全にハッキング出来ないということ)をよりどころにしていたとしても、依然として少なからず可能性は存在します。ディズニーリゾートは長期的な対策を取る必要があります。
世界中の6か所のディズニーランドに目を向けてみると、オーランドにある世界最大のウォルトディズニーワールドリゾート、カリフォルニアディズニーランド・リゾート、ディズニーランド・パリは現在FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSを開設しており、香港ディズニーランドもFacebookやブログ、微信(WeChat)公式アカウントを保有しています。また、それぞれのディズニーランドにはパークごとにアプリがあります。日本のディズニーリゾートは、運営の一切をオリエンタルランド株式会社に委託していることから公式ホームページやその他SNSからはアカウントやアプリを見つけることが出来ませんでした。
上海ディズニーリゾートは、公式ホームページ、パーク内アプリ、フォトパスアプリだけではなく、微信(WeChat)や微博(Weibo)にも公式アカウントを持ち、更には天猫(Tmall)に1つ、旅行総合サイトの飞猪(Fliggy)に2つのオンライン店舗を保有しています。本文では、上海ディズニーランドがインターネット方面でどのようなことをしているのか分析を行います。
ニューメディアからインターネットを紐解く
上海ディズニーリゾートの着工が発表されてから、メディアのプレスリリース以外に、微博(Weibo)や微信(WeChat)の公式アカウントによるニュースが頻繁に見られるようになりました。現在、上海ディズニーリゾートは、微博(Weibo)や微信(WeChat)に公式アカウントを開設し、関連情報や行事案内の発信に活用しています。
微博(Weibo)
2-1 新浪微博
2014年7月1日、上海ディズニーリゾートは微博(Weibo)にアカウント登録し、同年7月28日には「全ての物語は一匹のネズミから始まった」という文章を発表しました。微博(Weibo)ユーザーからはディズニーに対する期待のコメントが寄せられました。
現在は、宣伝動画やプレゼント抽選、パーク内の状況、イベント案内等を主に発信しており、微博(Weibo)上ではファンとの交流も行われています。その他、微博(Weibo)のハッシュタグ機能を利用した「シーズナルパス」、「放開玩」(思い切り遊ぶという意味)、「花様子春光迪士尼」(春のディズニー)を企画し、ユーザーの注目を引き寄せ、シェアを増やすことでブランドの影響力を増やしました。しかし、そのシェア数や閲覧数は、ファン数に比べると少なく、非常に大きな差があります。発信する内容をユーザーの生活に近づけて、文章に共感性を持たせるとより良いでしょう。
2-2 微信(WeChat)公式アカウント
上海ディズニーリゾートは微信(WeChat)に4つの公式アカウントを保有しており、上海ディズニーリゾート、上海ディズニーリゾートリリース、上海ディズニーリゾートワーク、上海ディズニーリゾートセレクションに分けられます。後者の2つは人材募集のアカウントであるため、今回の内容には特に触れません。サービスアカウントである「上海ディズニーリゾート」とニュースサイト「上海ディズニーリゾート」について具体的に見ていきましょう。
2014年8月2日、上海ディズニーリゾートアカウントは「全ての物語は一匹のネズミから始まった」という内容でディズニーランドの由来について発表しました。上海ディズニーリゾートサービスアカウントの役割は、ユーザーに上海ディズニーリゾートの最新独占情報やパークの雰囲気を知ってもらうこと、双方向コミュニケーションを取ることです。
現在、アクティブユーザー数は100万を超え、日々パークの最新情報やイベント案内を発信しています。清博指数(中国のビッグデータ解析サイト)によると、5月1日のこどもの日に関するチケット優待情報は10万を超え、いいねの数は501、微信(WeChat)伝播指数は1220.32でした。
サービスアカウントでは、主に公式ホームページやパーク内の注意、パーク内のタイムテーブル、権益センター、最新イベント、季節イベント、チケットセンター、チケット購入サービス等を案内しています。そのほか、ニュース配信やショートメッセージの形式でユーザーへ配信し、季節イベントへの参加を呼び込んでいます。パーク内でシーズナルパスを持ったユーザーが優待を受ける際は、サービスアカウント内の権益センターで関連するチケットを開くことにより優待を受けることが出来ます。この動作によってパス購入者と微信(WeChat)のアカウントを紐づけることで、シーズナルパスの乱用を減らすことが出来ます。
そのほか「迪士尼奇妙心意」(ディズニーの気持ち)というミニプログラムを開発し、チケット購入後に友人にプレゼント出来るサービスを提供しています。ミニプログラム内で自分の好みのカードデザインを選択し、支払い完了後に微信(WeChat)上のプレゼントとして友人に送ることが出来ます。24時間以内に受け取りがなければ、本人に返却されます。これは、スターバックスのミニプログラム「用星説」と非常に似ていることから、このミニプログラムを研究して打ち出したものだと推測します。
2017年6月15日、上海ディズニーリゾート1周年の際には「しっかりとおつかまりください、上海ディズニーリゾートの素晴らしい1周年記念列車が出発します!」と発表し、これまで1年間の記録が綴られていました。2016年10月31日に販売開始した上海ディズニーリゾート「フリーパス」、2016年11月10日に着工を開始した「トイ・ストーリーランド」、2017年5月11日に開催された「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」の世界初上映。他にも、「売り上げたアメリカンドッグとターキーをつなぎ合わせると、その長さは上海中心部のビル377棟分に相当する」、「これまで100万以上のぬいぐるみが来場者によって持ち帰られた」、「これまで900万枚以上のファストパスが発行された」等、身近で面白いニュースも配信されました。
現在、アクティブユーザー数は2.3万名以上であり、普段はパーク内のニュースや情報を発信しています。清博指数を見ると、関連文章の閲覧数は少なく、数千前後に留まっているようです。その原因の多くは、ユーザー個人とアカウントが発信している内容に関連性がないことだと推測します。公式アカウントの運営戦略として、定期的にパークの最新情報や面白いネタ(ディズニーキャラクターの誕生日会の写真、チップとデールのじゃれ合い、ドナルドダックののろけ、ステラルーのセレブ生活といったテーマ)を集め、ディズニーファンの関心を引き付けつつ、まだディズニーランドへ行ったことのない潜在的な客の興味を引くことが有効であると考えます。
新小売モデルの試み
2018年初旬、ディズニーは戦略の見直し計画を発表しました。そのなかで、テーマパークと消費者を結びつける小売と電子商取引の業務連携について言及しています。上海ディズニーリゾートは、国内における電子商取引の影響を受け、2016年に新小売モデルへの取り組みを開始しました。以下では、天猫(Tmall)および飞猪(Fliggy)に関する分析を行います。
天猫(Tmall)における販売
ディズニーはオンラインにディズニー公式フラッグショップ、ディズニーファッションフラッグショップの2店舗を保有しています。オンライン店舗と実店舗では、同時に新商品を発売し、オンライン、オフライン問わず同じようにオリジナリティのある高品質な商品や優待イベントを享受し、全国各地のディズニーファンがより手軽に商品を購入できることを保証しています。
ディズニー公式フラッグショップ:2016年5月19日開始、主な取扱商品はぬいぐるみ、アニメフィギュア、子供服等。
ディズニーファッションフラッグショップ:2017年5月23日開始、主な取扱商品はかばん、ファッション服飾雑貨、ファブリック、デジタル新聞等。
上記2店舗は、販売する商品や方向性が異なっていることから、より多くのニーズを満たし、買い物をする際には商品が選択しやすくなりました。天猫(Tmall)へのテナント入居は、より多くの顧客の取り込み、営業コスト抑制につながり、オンラインとオフラインにおける小売コストとのバランスの均衡を実現しました。
しかし、商品を探してみると、多くの実店舗で販売している商品がオンラインでは販売していないことがありました。オンライン店舗の商品バリエーションを増やし、在庫管理を行うことで、ユーザーがより買い物しやすいように改善すると良いでしょう。
そのほかにも、「ディズニーストア」という名前で微信(WeChat)アカウントを新設し、店舗イベントや新製品情報、天猫(Tmall)のセールイベント等を同時配信しています。
飞猪(Fliggy)におけるチケット販売と高付加価値サービス
飞猪(Fliggy)に入居する「上海ディズニーリゾート公式フラッグショップ」では、主に1日パス、2日パス、シーズナルパス、レストラン食事券、VIPガイドサービス、フォトパス+チケットセット等を販売しています。そのほか、主にシーズナルパスの販売を支えるプラットフォームとしての役目を担っており、微信(WeChat)や微博(Weibo)を経由して、飞猪(Fliggy)で買い物が完了するようになっています。天猫(Tmall)と連携すれば、シーズナルパスの販売活動はより趣向の凝らした要素や手法が増え、客の取り込みや販売増加につながることでしょう。
ディズニーリゾートアプリでパークを楽しむ
概要
2016年5月10日、上海ディズニーリゾート公式アプリ(以下、ディズニーリゾートアプリ)は、来場者のパーク体験価値を高める目的でAppStoreに登場しました。このアプリは、2018年4月31日までの間に13回のアップデートを行いました。アプリでは、パークの名所やアトラクションの待ち時間をリアルタイムで検索することが出来ます。また、「ディズニーファストパス」のオンライン受け取り、「ディズニーVIPカード」購入、パレードのタイムスケジュール、WEB地図を検索することも出来、基本的にこのアプリがあれば、大部分の問題を解決することが出来ます。
ディズニーリゾートアプリのユーザーは、主に上海ディズニーランドのゲストであり、基本的な使用場面は以下の数種類です。
(1)上海ディズニーランドに遊びに行く予定があり、営業時間やチケット販売、ディズニーVIPカードについて調べる。
(2)パーク入場後にファストパスを受け取る。
(3)遊んでいる途中にショーやパレードの待ち時間を調べる。
(4)パークに詳しくないため、WEB地図で名所やレストラン、ショップを調べる。
(5)毎日開催されるパレードやショーのタイムスケジュールを調べ、早めに会場入りする。
ディズニーリゾートアプリについて掘り起こしてみると、以下の通り核心的なロジックと製品構造が見えてきます。
ファストパス利用
ゲスト→WEB閲覧→ディズニーリゾート←内容更新←パーク
パス購入、ファストパス受け取り
ディズニーリゾートアプリの核心ロジック
ディズニーリゾートアプリの製品構造
発展の状況
現在まで、ディズニーリゾートアプリはiOSにおいて13回のアップデートを行いました。全体的なリズムとしては、比較的緩やかです。以下、ディズニーリゾートアプリの発展までの軌跡とそのスピードについて具体的に見ていきましょう。
上記の図から分かるように、ディズニーリゾートアプリがオンラインに登場してから、iOSにおいて13回のアップデートを行いました。全体的なリズムとしては、比較的緩やかですが、これはユーザーと使用場面に強い関連性があることが考えられます。さらに、ダウンロード数と累計入園者数は比例の関係であり、製品は成長段階に置かれています。以下、具体的な製品ロジックを段階ごとに紐解きます。
第一段階 製品探索期 2016年5月10日から2016年6月まで、Ver.1.0からVer.4.1まで、基礎機能の構築
この時、上海ディズニーランドは試験営業期間中であり、アプリは無料で招待を受けたゲストを対象としたものでした。基本的にはアプリの方向性を模索する時期であり、当初はパークでの体験価値を向上させるツールの位置付けとして、パークガイド、パス購入、個人アカウントの開設等の基本機能を備えていました。
4.1バージョンからは、個人アカウントでチケット購入、微信支付(WeChatPay)の機能が増えました。さらに、ディズニーフレンズをプロフィール画像として利用できるようになる等、このアプリの使用ルートは完全に整備されました。オンラインでパスを買うことで、現地で行列に並び購入する時間を節約し、身分証をスキャンすることですぐに直接入園出来るようになりました。ディズニーリゾートはワンストップサービスを実現し、一連のサービスを網羅しました。
ユーザー評価から見ると、時間を節約でき、パーク体験の価値を向上させるものだと満足の意見が見られます。しかし、あるユーザーからは、オーランドのディズニーランドアプリはオンラインでファストパスやレストランの予約、チケットチェックイン等が出来るため、上海ディズニーリゾートも同じように改善してほしいといった意見も挙げられています。
アプリは開設して間もなく、パークも試験営業段階ということもあり、ユーザーからはパーク情報が同時更新されていない、新規アカウントが開設出来ない、文字が英語のままであるという3点が主に指摘されました。
上海ディズニーリゾートの正式オープン後は、ユーザーからの上記のようなコメントは見ることはなくなったため、すでに問題解決したように思います。
第二段階 継続成長期 2016年6月10日から現在に至るまで、Ver.4.1からVer.5.1まで、パーク体験の価値向上の突破口を探す
2016年6月16日、上海ディズニーリゾートの正式オープン以来、このディズニーリゾートアプリは継続的な成長が見られました。パークに遊びに行く計画をしているユーザーは、すなわちディズニーリゾートアプリの潜在的ユーザーとなります。機能面ではファストパスのオンライン取得、VIPカード購入、次回のショースケジュールやテーマイベント等の検索機能が増えました。また、天猫(Tmall)内のプロモーション活動へ参加したり、グリーティングセールスイベントの計画をしたりと運営方法を継続的に刷新し、アプリのダウンロード数や高評価率も穏やかに上昇しました。
この段階で、ファストパスのオンライン取得、VIPカード購入の2つの機能が追加され、従来のファストパス取得に伴い引き起こされていた問題を解決しました。例えば、ファストパスを受け取るために行列に並ぶ、アトラクションに入るには2度目の行列に並ぶ、ファストパスの奪い合いによる安全上の問題、ダフ屋や偽のファストパスの横行等の問題の解決です。そのほか、オンラインでのVIPカード購入も来場者に対して新たな選択肢を提供しました。アトラクションの行列待ちが長くなる時にこのサービスを購入すれば、専用通路から優先的に入ることができ、時間を節約することが出来ます。こういった側面で、この2つの機能はユーザーのパーク体験の価値向上に大きな突破口を見出しました。
ユーザー評価からも、ファストパスのオンライン取得、VIPカード購入は大きな突破口であると多くの良い評価を得ることが出来ました。ユーザー目線で戦略を立てたことで、パーク体験がより便利で快適なものになったということもユーザーが挙げた評価ポイントです。しかし、依然としてアプリのバグやログインできないという製品自体の問題も存在しており、今後も繰り返しアップデート行い、このような問題を早めに解決することが必要であると考えます。
以上の製品分析からも分かるように、アプリのアップデートのロジックはユーザーのパーク体験の価値向上を第一に考えているものであり、ユーザーのためにユーザーが現在抱える問題を解決するために効果的な対策を提供しています。
写真はフォトパスにお任せ
概要
フォトパスは上海ディズニーリゾートが推し出している高付加価値のサービスとして、来場者のパーク体験の中でフォトサービスを提供します。現在、提供するサービス内容および価格は下記の通りです。
現在の主要業務ロジック
写真撮影以外の写真検索、購入、写真データダウンロードは全てアプリで行うことが出来ます。以下、フォトパスアプリについて分析します。
アプリの発展状況
2016年5月6日、フォトパスアプリはAppStoreに登場しました。当初は、写真データ確認、購入、写真データダウンロードのアプリとしての位置付けでした。2018年4月30日までに16回の製品アップロードを行いました。現在、フォトパス一日カードやグリーティングカードの読み取り、写真選択およびデータダウンロード、フレームの追加、フィルターやトリミング、プリンタ、付近の撮影スポットへの距離、オンラインのフォトパス購入サービス等を提供しています。フォトパスアプリを利用することで、来場者のエネルギーを解放し、ユーザーの臨場感をより高めることが出来るようになりました。
フォトパスアプリユーザーの多くは上海ディズニーランドの来場者であり、使用場面は以下の数種類に区分できます。
(1)ディズニーフレンズと記念写真をプロに撮影してほしい。
(2)ディズニーへ遊びに行ったが、自撮りでは満足できず誰かに撮影を手伝ってほしい。
(3)自分の一眼レフを持って行くのは重たくて不便だが、写りの良い写真を撮影したい。
(4)家族や友達と一緒に出掛け、記念写真を残したい。
(5)友達のディズニーで撮った写真にフレームや加工がされており、自分も欲しい。
(6)あるプロジェクトで来園しており自撮りが出来ないが、記録に残したい。
フォトパス体験のロジックと製品機能構造図
ゲスト→ダウンロード写真の閲覧→フォトパス←写真アップロード←パーク
フォトパス撮影スポットで写真撮影
フォトパスアプリのロジック
フォトパスアプリの製品機能
フォトパスアプリはiOSでこれまで16回のバージョンを発表していますが、全体的なリズムは緩やかです。以下、フォトパスアプリの発展の軌跡と速度を見てみましょう。
上記の通り、フォトパスアプリがオンラインに登場して以来、ユーザー数は穏やかに上昇傾向にあります。製品のユーザー、使用場面との関連性、ダウンロード数と累計入園数は関連性があり、製品はまさに成長段階にあります。
七麦データ(データ解析サイト)のユーザー評価を見ると、多くのユーザーがこのアプリを伝統的な撮影サービスとIoTが連携した製品として認可しており、撮影された写真にも比較的満足しているようです。一方で、一部ではアプリが不安定、写真単価が高いといった指摘も見られます。
飞猪(Fliggy)の一日パス、グリーティングカードの関連評価を捜索してみると、アプリの使い勝手が良く、フォトパスを気に入っていることが分かります。フォトパスグリーティングカードを購入するユーザーの多くは、複数枚購入をするユーザーであり、この撮影サービスの品質が高く、フレームも綺麗で便利であることが人気の理由であると推測できます。
結論
以上の分析より、上海ディズニーリゾートはほかのパークより新小売面への試みにおいて優位性があることが分かります。また、新メディアを活用して中国の消費者を獲得し、中国のインターネットという大きな環境と密な関係を持っています。しかし、一方でレベルアップできる点としては以下の通り挙げられます。
(1)「上海ディズニーリゾートリリース」アカウントは、運営戦略上で調整を行った方が良いでしょう。定期的にパークに関する情報を集めて発信することでファンの関心を引き、同時にまだパークへ行ったことのない潜在ゲストの興味を引き込むことが出来ます。
(2)「上海ディズニーリゾート」公式微博(Weibo)は双方向性に欠けています。発信内容をよりユーザーの生活に密着したものをベースにした方が良いでしょう。
(3)「ディズニーリゾートアプリ」は、現在抱えている問題を解決する前提で、次の段階としてアプリを通していかにユーザーのパーク体験の価値を高められるか考えていくべきです。(ファストパスの受け取りをアラームで提示する、レストランの混雑状況を表示する等)
(4)「フォトパスアプリ」はアプリ使用上の問題点をまず解決すべきです。その後、フォトパスの販売戦略を打ち出し、ユーザーの感覚的な単価を引き下げ、売上向上につなげます。
(5)多くの実店舗で販売している商品は、オンラインの天猫(Tmall)では取り扱いがありません。オンライン店舗の商品ラインナップを豊富にし、在庫管理を行うと良いでしょう。
不思議なサプライズタイム
パークを歩いていると、手に「ブラックボックス」を持ったキャストに手招かれ、足を止められることがあります。緊張しないで下さい、彼らは上海ディズニーランドのアンケート要員です。キャストの質問に答えると、彼らはモニター画面であなたのチケットを読み取ります。また、ある時はメールアドレスを聞かれ、メールで他のアンケートを送られてきて、回答すればプレゼントがもらえることもあります。今度、もし「ブラックボックス」を持ったキャストを見かけたら積極的にアンケートに答えるようにしましょう!
[原文 : http://www.opp2.com/82568.html]
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