中国越境ECの市場動向
中国越境ECでは様々な規制が施行されながらも市場は拡大している。EC関連情報を集めてみると、それぞれ出どころによってデータが異なっている場合がある。そこで、中国の「中国電子商取引研究センター」が発表した報告データを元にまとめた。
(出典:中国电子商务研究中心(中国電子商取引研究センター) http://www.100ec.cn/
タイトル:「2016-2017年度中国跨境进口电商发展报告」[2016-2017中国越境EC開発報告])
中国越境ECプラットフォームの設立時期
中国電子商取引研究センターの「モニタリングデータ」によると、2009年に「洋码头」が設立され、2011年に「蜜芽」が、2013年に「小紅書」が設立された。
そして、2014年に越境ECの合法化と課税政策が行われ、2014年から2015年までの期間は、越境ECプラットフォーム設立の全盛期を迎える。「天猫国際」「網易考拉海購」「唯品国際」「京東全球購」「宝贝格子」やその他のプラットフォームはこの時期に立ち上がった。
中国越境EC市場シェア
2016年の越境EC取引額は1兆2000億元(約19兆円)に達し、2017年は33.3%増の1兆8000億元(約29兆円)に達すると予測された。
2016年~2017年の、越境ECプラットフォーム別シェアランキングTOP3は1位が網易考拉海購(Kaola.com)で、全体の21.4%のシェアを占めている。2位が天猫国際(Tmall Global)で17.7%、3位は唯品国際(Vip.com)16.1%という順だ。
それ以下は、京東全球購(JD.hk)が15.2%、聚美優品(jumei.com) 13.6%と、この5社で全体の84%を占めているのだ。
4位の京東全球購は、商品の知名度に関わらず出店を受け入れており、越境ECのテストマーケティングに向いているプラットフォームだ。すなわち、中国越境ECに実績のないブランドはまず京東商城に出店することができる。
中国越境ECユーザー分析
中国越境ECユーザー数
2016年の中国越境ECユーザーは4200万人で、前年比82.6%の増加である。2017年にはユーザー数が5900万人に達すると推測された。このように、ユーザー数は増加の一途を辿り、まだまだ期待が持てそうだ。
中国越境ECユーザー分布
地域別にみると、広東、上海、北京と続き、やはり経済発展の著しい東部地域に集中していることが分かる。年齢別には、26~35歳のユーザーが全体の69%を占めており、続いて19~25歳が15.1%となる。
これに36~45歳の13%を合わせると19~45歳で97.1%であり、18歳以下が1.3%、46歳以上が1.6%となる。つまり、出品する商品は26~35歳の比較的若い世代をターゲットにするのが良いと言えるだろう。
男女比では、6:4と意外にも男性ユーザー数が女性ユーザー数を上回っている。しかし、2016年以降は女性の比率が急激に増加しており、女性もまだまだ伸びしろがありそうだ。
中国越境EC人気商品
男性は、電化製品やスポーツ用品などは越境ECを利用する傾向にあり、女性は、アパレル、化粧品、マタニティ商品を越境ECで多く購入している。
以上の情報は昨年の夏時点での報告データである。現時点でのデータとは若干の差は生まれているかもしれない。しかし、動向を把握するには充分なデータといえるだろう。中国越境ECに携わる方々の参考になれば幸いだ。
(出典:http://www.100ec.cn/zt/16kjbg/)