厳しい打撃を受ける中での百度(Baidu)医療SEMの10の傾向
この記事では、簡単に医療業界の話題から始めて、将来の医療プロモーションの在り方について書いていきたいと思います。
目次
中国の民営医療の資本と検索エンジン
現在、医療機関において、中国の民営医療の資本はすでに三種類あります。莆田(ほでん)系資本、非莆田(ほでん)系資本、外資と連携の三種類です。
10年前、皆さんの知っている民営病院の資本はほとんどすべて莆田(ほでん)系でしたが、最近5年、国家が民営医療に関する政策を開放したことに伴い、たくさんの非莆田(ほでん)系資本が参入、並びに大量の外資が中国医療業界の株主となるだけでなく、たくさんの非医療業界の会社が株主となり民営病院体制に参入、まさに今中国の民営医療は資本争いの局面であることを物語っています。
産業形態から見ればこれは良い兆候です。異なる資本が参入することが異なる運営システムの競争を生み、それがスタイルの異なる運営システムの医療機構を形成するからです。
検索エンジンについて言えば、検索エンジンは百度(Baidu)だけではありませんが、百度(Baidu)が攻撃の的とされているのは、中国語検索エンジンにおいてトップを走っているからです。群集心理というのはそういうもので、最も突出した部分を非難したくなる、いわゆる出る杭は打つという状態で、杭を打つハンマーがこの場合大勢のユーザなのです。もちろんユーザが悪者であるというわけでは決してありません。
医療自体は非常に特殊な業界で、これは生活必需品でもなければ、ぜいたく品でもなく、あるタイミングで必ず必要となるもの、つまり病気になった時には必ず必要となるものです。それだけでなく、医療というものはネット上だから特別デリケートで反応が速いというわけではなく、どの場面においても非常に敏感に反応する問題なのです。この業界の特殊性により、“医療+プロモーション”すべてが非常にデリケートな問題に発展し、他の業界に関するプロモーションは全く問題なくても、医療プロモーションだけはいつでも非難の的となるのです。
医療プロモーションについては、前提として民営医療の広告は依然として存在しており、これが非常に大きな市場連鎖で、この連鎖の中で、たくさんの需要側、供給側、それに働いている従業員が関係しています。百度(Baidu)側から言わせれば、この大きな市場の中で絶対的な変更案というのはなく、簡単に言うとこの業務を切り離すのは不可能なのです。
将来のWeb医療プロモーションの在り方
ここで、この先数年間のWeb医療プロモーションの在り方についての構想をまとめてみましょう。
ブランド
プロモーションによって表示されるものをブランド化し、広告の量を減少させ、必要8項目をより分かりやすくします。(8項目とは、医療機構第一名称、医療機構住所、会社形態、医療機構類別、診療科目、ベッド数、診療時間、連絡先番号のこと)
専門家の証明
広告の中に医療機関認証項目を設置し、クリックすると該当する病院と医師の資格証明書を紐づけした一覧表を表示し、広告文字欄を極限まで減らし、医者の経歴と診療した病名のみを目立たせるようにします。
診療について
広告の中に診療範囲項目を設置し、クリックすれば病院の医療資質上診療可能な病状と、実際に診療可能な病状を確認できるようにします。
医療マッチング
特定の病状について検索した時、二種類の広告位置のみ赤く表示します。一つは、資質上診療可能な病状範囲を記載した広告。もう一つは、医者が実際に診療可能な病状範囲を記載した広告を掲載します。
ユーザー評価
評価機能を取り入れ、広告の中に電話番号もしくは病院側が確認のできる電話番号を入れれば、実名もしくは匿名で評価可能にします。ただし異なるいくつかの項目を星等級か数字による採点によって評価し、文字を残すことはできないものとします。
言語検索
言語検索機能を取り入れ、同時に病院の認証済み百度(Baidu)アカウントを表示させ医療ブランドの証明の一つとします。
国立の表示
検索トップに国立病院情報という項目を設置し、クリックすれば地元の国立病院、もしくは、地元の国立病院のサイト、電話番号、主な情報などを表示し、ユーザが国立病院か民営病院かを識別できるようにします。
価格区分
5番目の条件をベースとしたうえで、価格公開を導入することになるかもしれません。美团(meituan.com)サイトのように一人当たりの消費価格を表示するのです。しかし価格というのは医療上非常に敏感な部分なので、価格区分を設け、その上で病院側にも評価が正しいかどうか確認しなければなりません。
役員一覧
広告の中で一定量の役職に関する情報を提示します。例えば、院長、看護部長、入院サポート部長など重要な役員の簡単な情報を表記するようにします。
資質情報
広告位置の中にクリックできるボタンを増やし、病院の資質と百度(Baidu)が列挙している関係するプロモーションに必要な資質情報を表示し、ユーザが信頼できるかどうか確認しやすくします。
将来の Web医療プロモーションにおける病院側の変化
仮に将来のWeb医療プロモーション形態が上記の変化を遂げたとすれば、病院側にはどんな変化があるでしょうか?
AIカスタマーサービス
人口知能によるカスタマーサポートを導入し、診察の受付及び患者の質問に人工知能によってサポートを行う。実際国内のいくつかの国立病院ではすでに人工知能コンサルティング受付システムを導入しています。
正確な情報の見える化
病院の資質、専門家、診療病状に関する情報をより正規化、透明化、厳格化できるようになります。
ブランド強化
病院を検索するルートは単なる宣伝の窓口にしか過ぎなくなり、コピーライターを増員し、病院ブランドを確立する方面に力を割くようになります。
親身な対応
病院の微信(Wechat)公式アカウントが、ただ病状を説明する場所という現状から、顧客と親身にコミュニケーションをとれるところとなります。より密なコミュニケーションが取れるようにカスタマーサービス用のアカウントでは真剣さと寄り添う医療のバランスを実現したサービスを提供するようになります。
営業ルートの開拓
病院の営業ルートがWebプロモーションに頼るだけではなくなり、別の営業ルートの開拓や整合を図ります。
医師をアピール
病院が専門家を大々的に売り出すようになる。例えば医者に個人の微博や個人の公式アカウントを作るなどアピールします。
ネットと連携
ネット上とそれ以外のプロモーションを結合し、病院のネット以外の宣伝広告を強化、また異業種と連携ルートを構築します。
業界を超えることで生まれる相乗効果
医療以外でのアドバンテージ、病院は病気を治す場所というだけでなく都市の中でたくさんの機能を持った一つの社会機構となります。例えばコーヒーショップ、図書館、子供の遊び場、カウンセラー、フィットネス、母親の交流場、職業訓練などを導入し、病院が医療救助を中心事業としつつも同時にたくさんの機能サービスを兼ね備えた機関になることでしょう。正確に言えば業界を超えた機能を組み合わせた形態の医療機構です。
まとめ
Webプロモーションというのが消えることはありません。なぜなら“検索”することは人間の本能だからです。医療が無くなることはありません。なぜなら人間が老化して死ぬという状態が変わることはないからです。“医療+プロモーション”も無くなることはありません。
しかし、その形態は変化します。もしかすると将来あなたが病気にかかった時、あなたのAIロボットが、いろいろな角度から各病院の情報を集め比較し、どの病院に行って診察を受けたほうがいいのかアドバイスしてくれる、これこそが未来の病院の形態なのかもしれません。
[原文 : http://www.opp2.com/84319.html]
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