シンガポールへの越境EC参入方法
現在,東南アジアのEC市場はインターネットの普及に伴い世界で最も速い
ペースで成長している市場となっています。
なかでもシンガポールは東南アジア随一の経済力を背景にECを通した流通
も活発に展開しています。
目次
シンガポールのインターネット環境
シンガポールは東京23区ほどの広さの土地に約500万人以上が住んでいる都市国家です。
シンガポールはIT先進国ともいわれ,約80%以上の国民が日常的にインターネットにアクセスしておりネットの普及率はアジア諸国の中でも際立っています。
家庭向けインターネットの世帯普及率は2014年9月時点で105%,つまり各世帯に1つ以上ブロードバンドでインターネットに接続できる手段を持っていることになります。シンガポールではほとんどの一般家庭にインターネット接続の環境が整っているといえるでしょう。
シンガポールのEC市場規模
2010年でのEC市場規模は約700億円から2015年に約2700億円まで拡大されました。市場の内訳では旅行関連(航空券・ホテル予約)が30%で最も多く,フファッション・ビューティー関連・ライフスタイル関連・IT・電化製品等が続きます。
2016年度あたりからアパレル系を中心にEC市場が拡大しています。
スマートフォンの普及率は約70%と非常に高いためモバイル端末からの商品購入が拡大傾向になると思われます。
PayPalの調査によるとローカルのECサイトからの購買が全体の40%とあり,以外にも国内の商品も売れているようです。
シンガポールの主なネット通販
シンガポールの著名なECサイトといえば「Qoo10」があります。
日本にも出店していますが”激安ECサイト“でかなりの低価格で商品を提供しており,ファッションから食料雑貨などすべてのカテゴリを網羅しています。
マーケットシェアは15%以上で最も成功しているECといえます。
また, 「Qoo10」はシンガポール人に好まれるオフラインとオンラインの両者での決済方法を提供しています。
Reebonzはラグジュアリー商品をディスカウント価格で販売するECです。
リージョナルECとしてのインフラの完成度は非常に高く,国内・国際便の配送料は無料で関税も別途負担となることは無いです。
Taobao SEAは中国マーケットプレイスの巨人であり東南アジアのハブとして
シンガポールにオフィスを開設しました。
東南アジア向けにサブドメインseaを付け1サイトでの商品を提供しています。
タオバオは中国でのモバイルコマースのノウハウもあるため今後はPCよりも
モバイルからの買い物客が増えるであろうという動きが注目されています。
Redmartは,約8000種類の食料雑貨を扱い現在シンガポールで最も有望といわれているECサービスです。
他にもアパレル・コスメ・ファッション関連に特化したECサイトが展開されています。
「楽天」のシンガポール撤退!
2013年にシンガポール市場に参入した「楽天」は2016年2月中旬にECサイトを撤退しました。予想外のサイト訪問者の少なさが挙げられます。
意外ですが,楽天・アマゾン・アリババはシンガポールでは存在感はあまりない状態です。
楽天のサイトに対するユーザーからのフィードバックの主な内容は「サイトデザインが良くない」「商品のサーチがむずかしい」などのほかに,購入前の商品をレビューする「口コミ」の機能が無かったことが指摘されています。
しかし「楽天」ではシンガポールの楽天技術研究所を拠点としてモバイルとソーシャルイノベーションをリサーチし,今後の東南アジアにおける事業を着々と準備しています。
日本からのEC参入
伊勢丹シンガポールは、2009年にECサイト「I ONLINE」を立ち上げました。
伊勢丹シンガポールのECサイトである「I ONLINE」上で越境ECサイト
「ISETAN JAPAN DIRECT」を新設し,日本の旬な農水産品などの食材をシンガポールの消費者まで届ける「お取り寄せ」モデルのスタイルです。
シンガポールでは日本の高品質な製品や農水産品が好評です!
ヤマト運輸とANA Cargoの提携でシンガポールへのスピード輸送は実現され,物流は円滑です。
今後も成長が期待できる「シンガポールの越境EC」を検討されては
いかがでしょうか!!