中国版Facebook(人人网)の失敗
スマートフォンの普及に伴い、各種のappが雨後の筍のように現れました。撮影、ショッピング、旅行、SNSはもとより、フレンド、グルメ、タクシー配車、モーメンツ等人々の生活に完全に溶け込んでいます。その中でも特にSNSは生活に切っても切り離せないものとなっています。微信、微博、qqはすでに中国において代表的なSNSに成長しています。しかし、微信、微博がまだ無かった12年も前に「校内网」と言うSNSが大学生の間で大流行したのを御存知でしょうか?しかし、現在「校内网」はいったいどこに消えてしまったのでしょうか?また人人网とはどの様な関係があったのでしょうか?
人人网は中国の全てのインターネットユーザーにサービスを提供する先駆け的な実名登録制のSNSであり、2009年8月4日に校内网から名前を変更されたものです。人人网は身分や地位の違う人にも交流する機会を与える事の出来るSNSであり、社会の全ての人が参加出来ます。ですので学校という枠を超え、ユーザー同士の交流を発展させる事に成功しました。人人网を通して自分の日記をアップしたり、アルバムを保存したり、音楽やビデオを共有したり、機能性あふれるSNSとなりました。
しかし、現在多くの人にとって人人网はなじみの薄いものとなりました。一世を風靡した人人网は、いったい何故人々に忘れ去られてしまったのでしょうか?
実名登録制の弊害
人人网が目指したのは、中国最大の実名登録によるSNSです。人々は実名登録をした後プラットフォームで情報を発信し、生活を共有し、連絡先を失った昔の同窓生と再会する事も出来るかもしれません。しかし、実名登録は知り合いを探すのには便利ですが、世界中にプライバシーを晒す危険と隣り合わせです。また実名登録はある人にとっては自分の情報を発信する際、それに制限を与えるものとなります。これでは情報を発信し生活を共有し交流をはかるという本来の目的が達せられない事になります。またシステム不良やハッカーの攻撃により情報漏れした場合のリスクは計り知れません。
強敵の出現
微博は実名、匿名を選択出来る事が出来ます。いつでもどこでも情報を共有でき、自分の交際範囲にとどまらず世界中に自由にメッセージを送れます。様々な普段接点の無い人々とも交流を可能にします。また微信は逆に限られた範囲での交流をする事でプライバシーの安全を重視できます。両者の間で人人网はその特性を失っていきました。
宣伝の不足
ハード面での問題以外に、営業面での遅れがあります。微博、微信が世に出る際、新浪と腾讯は多額の資金を投入し、各メディア上で大量の広告を流しました。それに対し、人人网はほとんど対策を講じなかったと言えます。これでは若者達に忘れられてしまうのも無理はありません。
ともあれ人人网の衰退は自身の問題であれ外的要因であれ、競争の中で淘汰されたという事実に変わりはありません。現在、インターネットは目覚しい発展を遂げ、スマートフォンの普及は著しいものとなっています。常に変化に対応し、創造を怠ると歴史の波に飲み込まれてしまうのは自然の摂理といえるでしょう。
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