香港への越境EC参入方法
越境EC向きの香港
中国に次ぎ,27年の訪日した香港観光客の旅行消費総額は約2,600億円
以上で全体の7.5%を占めており非常に消費動向が高い事を示しています。
これは香港人の給与水準が高い事にも起因しており消費動向に勢いがあります。
更に,インターネットのインフラが世界最高水準で整備されており越境EC事業にはうってつけの土壌ができ上っていると言えます。
香港インターネット事情
香港は中国の一部になっていますが間接支配にすぎません。
中国最恐の,国家による厳しいインターネットの閲覧規制は施されてなく,民主化された国家といえます。
香港であればサイト開設に伴う現地法人やICP不要でサーバーも取得できる利点があります。
インターネット環境も他の国と比べて比較的早い段階から整備されたため
その普及率と利用しやすさは高水準といえます。
またホテル・レストラン始め,あらゆる場所でも無料Wi-Fiを提供し快適なネット環境が推進されています。
香港の最大手ECサイトは?
「香港電視網絡(香港テレビジョン・ネットワーク=HKTV)」という企業が2015年に「HKTVモール」を開設して以来,現在では香港在住者に大人気です。
既に約150万人以上(人口の約2割)が会員登録し人気サイトとなっています。
サイト内で日本の商品を扱う「日本商品」ページはHKTVモールのなかでも
トップクラスの人気のページとなっています。
日本企業でも有機・低農薬野菜と無添加食品等の宅配サービスを展開する
「らでぃっしゅぼーや株式会社」が出店し野菜・果物セットの販売を開始しています。香港では日本産の野菜・果物は大人気なのです。
本商品はECサイト上で22時までに注文すれば翌日夕方までには香港の個人宅まで届けられます。日本から空輸された商品は専用のデリバリーチームによって鮮度の良い状態のまま配達される仕組みです。
香港での「越境EC」参入状況
台湾の「Yahoo寄摩」が越境EC事業展開の進出先として香港に参入しました。
その理由として香港ネットショッピングユーザーの購買行為が台湾市場と非常によく似ている事と,言語も同じ繁体字を用いているので対応がスムーズであることが挙げられています。
また,イオンダイレクト(株)は2015年に香港の消費者を対象とした越境ECサイト「新鮮直送」をオープンしています。
日本の高品質商品にこだわった品揃えをし,味・品質・鮮度をアピールしている
サイトとなっています。
サイトは楽天市場の海外販売サービス「Rakuten Global Market」内に出店。
販売は予約販売方式により日曜日に予約注文を集計し,まとめて週末に香港の
消費者に直接届ける物流システムで運営しています。
香港への越境EC参入は?
「買い物天国」と言われる香港では、消費者はインターネット上よりも実店舗で買い物を楽しむ傾向があります。これにより従来まではネットショッピングの市場規模が拡大されていませんでした。
しかし「HKTVモール」の出現やその成長に伴い香港越境ECの開拓は始まったばかりです。
香港での越境ECは「HKTVモール」や楽天市場の海外販売サービス
「Rakuten Global Market」への出店例があります。
香港人は日本に関する情報に敏感です。
訪日香港人観光客の動向や消費欲の高さから,香港の越境EC市場には
ビジネスチャンスがあるように思われます。