全国に広がる「アリペイ(支付宝)」導入!訪日中国人の消費拡大へ!
2016年の訪日外国人数は、初めて2000万人の大台を超え前年比21.8%増の2403万人になり、その中でも中国人の訪日者は前年比27.6%増の637万人と、昨年に続き最大訪日国になりました。この傾向は今年も続き2017年1月~5月の訪日中国人数は269万人で前年同期249万の8%増になっています。
そんな訪日中国人の消費拡大を目的に関係事業体が導入を進めているのが「アリペイ(支付宝)決済サービス」です。中国人8億人が使うアリペイの凄さを紹介します。
JTB、観光施設に「アリペイ」導入 訪日客の消費喚起!
JTBは中国で日常利用される決済サービスの導入と、訪日中国人旅行者への「おもてなし」の向上を目的に国内の観光事業者を対象にした、アリペイ決済サービスを本年7月1日(土)から提供を開始すると発表しました。
株式会社ジェイティービー(JTB)は、訪日中国人の消費喚起を目的に国内の観光事業者を対象にした、アリペイ(支付宝)決済を可能にする環境を広げていきます。第一段階としてスマートデバイスとQRコードを使ったアリペイ決済サービスを提供します。
訪日外国人旅行者の国内消費の約40%を占める訪日中国人向けに旅館・ホテル・土産品店へのアリペイ導入を開始し、順次、レンタカーや入場施設等へ展開します。
これは、訪日中国人旅行者の受入環境を整備する上で、彼らが中国で日常的に利用している決済サービスの提供が、今後さらに要求されると考えられます。また、訪日中国人の消費行動が「モノ」から「コト」へ変化していく状況で、スマートデバイスを活用し場所の制約のない決済方法が必要不可欠になると予想されます。さらに、地方においても訪日中国人の受入れ環境整備に向けた商店街など、地域事業者への拡大も推進していきます。
これで、国内の観光事業者の訪日中国人旅行者向けに、アリペイ導入が本格的に始動することになります。
中国で最も普及率の高い「アリペイ(支付宝)」とは
アリペイ(支付宝)とは、中国最大級のオンライン決済サービスです。世界的な決済サービスのPaypalによく似たシステムで利用登録者は8億人にもなります。中国ではクレジットカードがあまり浸透しておらず、代わりに「銀聯」のデビットカードが一般的に使われていましたが、近年急速に普及しているのが「アリババグループ」が提供しているアリペイです。
アリペイの使用方法は、まず専用アプリをスマートフォンにインストールして、銀行口座情報を登録しておきます。店舗で商品を購入して支払い時にQRコードを読み込んで決済します。そして登録した銀行口座から支払いが行われ、ネットで決裁した時も同様に登録した銀行口座から料金が支払われます。デビッドカードに似た要素もあります。
中国で短期間の間に普及したアリペイには驚きの凄さがありました。
「アリペイ(支付宝)」のここがすごい!
アリペイは登録した銀行口座にお金をチャージしてあれば、多岐にわたるサービスに利用できますしメリットもあります。
【手数料がかからない】
アリペイでは大部分のサービスが無料で利用できます。
【あらゆることに決済が可能】
光熱費の支払いはもちろんですが、タクシー代、航空チケットや海外への送金などにも支払いが可能です。
【お財布ケータイ機能】
金額を入力して携帯をかざすだけ
【送金機能】
携帯の番号が口座番号になっているので相手の携帯番号を知っていたら振り込みができます
【割り勘支払い機能】
友人の支払う金額を設定すると相手に請求が届き、それを相手が承認すれば支払いが完了します。
【高利息な預金サービス】
アリペイにお金をチャージして「余額宝」に預けると「年率5.23%」の利息がもらえるサービスです。
元金保障、預金最低1元(20円)からできるしいつでも解約できます。残念ながら外国人は利用できません。
この他に「一瞬でチャージできる機能もあります。
こんなに凄い機能が満載のアリペイ、中国人の支持を得られる理由が分かります。
驚異的に進行している国内のアリペイ導入
8億人もの中国人が利用するアリペイ、このサービスが日本のどこでも使えたら訪日中国人の消費拡大に貢献することは間違いなさそうです。そんな状況を察知して日本の各方面でもアリペイ導入の動きが驚異的なスピードで進んでいます。
【2016年9月23日より開始】 ドラッグストアチェーン「株式会社杏林堂薬局」
【2016年9月24日より開始】 関西国際空港国際線出国エリア8店舗。10月下旬までには他のエリアを含む約150店ほぼ全てに対象エリアを拡大。
【2016年11月7日より開始】 りんくうプレミアム・アウトレット
【2016年11月28日より開始】 御殿場プレミアム・アウトレット
アウトレットのような大型商業施設で、訪日外国人観光客が頻繁に利用する決済サービスの導入を実施することで、インバウンド消費を喚起します。
【2017年1月24日より開始】 ローソン店舗全店
【2017年1月29日より開始】 北海道・旭川空港のターミナルビルに入居する7店舗
【2017年6月27日より開始】 西武の池袋本店と渋谷店の化粧品売り場
【2017年6月27日より開始】 そごうの横浜店、千葉店、神戸店、広島店の化粧品売り場
訪日中国人が多く利用する、ドラッグストア、空港、アウトレット、コンビニ、デパートの化粧品売り場が先駆者としてアリペイを導入し、これにJTBが参画する形で今後も導入が拡大すると予想されます。
まとめ
アリペイ(支付宝)導入の動きは今後も訪日中国人に関係する事業体で進むと思われます。この動きは訪日中国人旅行者のニーズを把握した方策で、ねらいである訪日中国人の消費拡大に有効だと考えられます。
アリペイ導入はハード面のサービスですが、今後も、訪日中国人の要望をキャッチしてハード・ソフト両面でニーズに応えて、さらに満足度を高める必要があります。
また、訪日中国人のニーズの変化を敏感にキャッチして対応することも必要でしょう。
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