“爆買い”と日本人目線で見た中国人観光客のマナー
インバウンド政策の賜物なのか訪日中国人観光客が急増しました、しかし観光地では「中国人観光客が来てくれるのはありがたいがマナーが悪くて困る」といった話や、ある温泉では「中国人団体客が浴場にスリッパを履いて入ってきた、石鹸の泡を付けたまま湯船に入ってきた」そして銀座では「いたる処に中国人が地べたに座り込んでいる」更には空港などで「爆買いした商品の空き箱などがゴミ箱から溢れて散乱している」などといった中国人観光客へのマナー批判が続出しています。インバウンド政策で外国人観光客の誘致を進める一方でこういったトラブルの回避措置はとられているのでしょうか。
バブル期の日本人 VS 爆買いの中国人
中国人の爆買いが話題となっていますが中国人特有のものなのでしょうか、1970年代後半から1980年代のバブル期には日本人が免税店に行列をなしていました、フランスのパリではルイ・ヴィトン、エルメス、シャネル、イヴサンローラン、ディオールといったブランド品を買いあさる日本人はヒンシュクを買っていたそうです。「ルイ・ヴィトンの本店前に日本人女性が並んで欧米人が寄り付かなくなった」という日本の週刊誌報道もあったとか、かってバブル期の日本人もヨーロッパ、ハワイ、香港で“ブランド品の爆買い”をしていたのです。
日本人のマナーと中国人のマナー
今爆買いをしている中国人は「マナーが悪い」などと評判ですが、かっての日本人にもそういう時代が有ったのです、スイスでは日本人が「訪れた記念に名前を残す」といった落書きが目立ってマナーの悪さが評判となり、ジュネーブの日本領事館が重要文化財などに落書きをしないようにと日本人向けの“落書き帳”を作ったというエピソードもあるのです、これは日本人目線で見ても常識を逸脱したマナー違反です。中国人はマナーが悪いと言っていますが全てがそうなのでしょうか、日本人目線で見ている訳で、中国人目線で見ればごく普通なのかもしれません。札幌での出来事ですがコンビニで中国人夫婦の奥様がまだ会計を済ませていないアイスを店内で食べ始めたために店員が外へ出るように注意を促したら夫が怒って店員を殴ったというのです、この奥様の行為は中国では許されていることであり日本だから許されなかった事なのではないでしょうか、中国では会計前に食べてしまい包装紙だけレジに出すという光景を目にするそうです、すなわち中国人に対して事前に日本のルールを説明するアナウウンス、ガイドブック等が不足しているのではないかと思われます。
“爆買い”という言葉は中国人に対して失礼なのか
雑誌記者がある企業に“爆買い”について取材を申しいれたら「爆買いという言葉を使うならお断り」と言われたそうです、そして中国人観光客を受け入れている関係者には「爆買いという言葉は上から目線で中国人を見下ろした言い方だ」とか「中国人を嘲笑した表現だ」とのお叱りを受けたといいます、先にも述べたように日本人も同じような事をしてきているではないですか、爆買いという言葉は日本のマスコミが頻繁に使い始めた言葉ですが決して中国人を嘲笑うような意味で使われた訳ではないのですが中国人目線で捕らえれば印象の悪い言葉なのでしょうか、実際に中国人に話を聞くと「べつに上から目線とは感じない」と言う人もいるが「日本人だって昔は海外でブランド品を買いあさっていたくせに今は私達を羨ましく思うヒガミだろう」という声もあり、決して良いイメージではありません。
“爆買い”という言葉の誕生と中国の反応は
では“爆買い”とはいつ生まれた言葉なのか調べてみると、2009年9月9日のフジテレビの“スーパーニュース”で「スーパー特報/旋風拡大ニッポン“爆買い”現場 中国人団体ツアーを追え」というコーナーで初めて“爆買い”が登場したのです、そして2015年頃にメディアで使われる回数が激増しました。そして中国国内では色々と議論はあったようですが国営メディアでも「日本での爆買いは・・・、日本人もかっては海外で爆買いをしていた」と報じられたように、特段悪いイメージと意識されているようでは無なさそうです。
日本の常識と海外の国の常識にはズレがあります、日常生活の習慣というものは身に染み付いていて何気なく行動にも出てしまいます。こういった生活習慣の違いを考慮した取り組みもインバウンド政策には欠かせない大事なことではないでしょうか。
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