B2B・B2C・B2B2C・C2C・O2Oなどの用語を「中国Webマーケティングラボ的」に解説
目次
ググっても得られない「中国Webマーケティングラボ的」解説
取引の関係性や形態を表す言葉として、B2B,・B2C・B2B2C・C2C・O2Oなどの用語は見た目がちょっと似ていて判りにくかったりもします。これらの用語の概念は「ググる」ことで、基本的な知識が得られるとは思うのですが、今回はこれらの用語を「中国Webマーケティングラボ的」に解説していきましょう。
B2Cとは?中国語で「商対客」
B2Cとは「Business to Customer」の略語で、企業対消費者間取引のことです。企業と一般消費者の間でのEコマースを指すことが多いのですが、企業が販売して消費者が購入する形態の取引全般を指すこともあります。中国語で「商対客」とあれば、それはB2Cのことです。ネット上の一般消費者を対象にしたオンラインショップをB2Cとみるかどうかについては、メーカーが自社製品を消費者に販売するために立ち上げているオンラインの直営店はB2Cに当たりますが、第三者が運営しているモールに出展しているようなケースは、出店者と消費者の間にモール運営者が介在するので正確な意味ではB2Cではないという見方もあるのですが、出店者と消費者の関係だけを見て天猫(T-mall)や京東(JD.com)もB2Cに分類する例も多く見られます。アパレル・ファッションの凡客诚品(VANCL)や麦考林(MecoxLane)は自社EC型のB2Cの典型的な例であるといえるでしょう。
B2Bとは?B2BもB2Cの影響を受けている
B2Bとは「Business to Business」の略語で企業間取引で、中国語では「 企业对企业 」と表現されます。メーカーと卸売間、あるいは卸売と小売間などの企業間の取引が典型的な形態です。中国のEC全体の販売額でB2Bの占める割合は70%を超えるといわれています。中国ではこの領域はまだまだ成長する余地があると見られているようで、2016年上半期には約80億元もの投資がこの分野に行われ、中国の機関投資家から注目されているようです。また、「B2C」の発展が「B2B」にも影響を与えているようで、「B2B」の売り手の企業もオフラインのサービスの重要性を認識し始めています。これは、「B2B」の買い手側が、「B2C」での購入体験によって、「B2B」にも「B2C」と同様のクオリティのサービスを求めるようになってきているためで、当日配送を望む買い手側企業は全体の8割を超えているというデータもあるようです。「B2B」の売り手側もこれに対応するために物流体制の整備に投資したり、B2Bのプラットフォームを更新して、例えば、買い手ごとに異なる商品リストや価格表を提示できるようにしたり、クラウドサービスを導入する動きが活発になっています。阿里巴巴(Alibaba)集団)の1688.comや環球資源(Global Sources)、慧聡網(HC Internationa)などが代表的なB2Bです。
C2Cとは?差別化がトレンド
C2Cは「Consumer to Consumer」の略語で消費者と消費者の取引を指します。消費者間の取引というとネットオークションがイメージしやすいと思います。中国の最大のC2Cオンラインマーケットプレイスは、ネットオークションがC2Cの主流だった時期があり、「拍拍網」というオークションのプラットホームがあったのですが、2015年12月31日をもって閉鎖されています。閉鎖の理由は、「個人の売り手には工商行政部門への届出が義務付けられていないため、取引に対する管理監督が十分に行われず、消費者の権利を保護するためだ」と説明されています。スマホの普及によって悪質な出品者の追跡を困難にしていると指摘されています。しかし、悪質な出品者の問題はC2Cプラットホーム第一位の淘宝(タオバオ)も同じように直面しているので、この説明が果たして妥当かどうかは疑問の余地があります。「拍拍網」は2006年に立ち上げられ、2007年には淘宝(タオバオ)に次ぐ中国第二位のC2Cのプラットフォームに躍進しました。「拍拍網」は設立当初は腾讯(Tencent/テンセント)傘下で、SNSのQQの抱える膨大なユーザーを誘導する戦略で淘宝(タオバオ)に挑んだのですが、2013年のデータではC2C市場の96%を淘宝(タオバオ)に独占され、淘宝(タオバオ)との競争に敗れて撤退していったのが真相ではないでしょうか。今中国で注目を集めているC2Cプラットフォームの一つに「鳥差網(niaochai.com)」があります。このプラットホームは出店者をデザイナーやクリエーターなどに限定して差別化を図っています。
B2B2Cとは?間に入ったBがミソ
B2B2Cとは「Business to Business to Consumer 」の略語で、企業が別の企業を通して消費者に販売する形態です。企業対消費者の取引であるB2Cの間に、別の企業がサービスを提供して介入することでB2B2Cという取引形態になります。「B2C」とどう違うかというと「B2C」の「B」と「C」との間に「B」が一つ多いということになるのですが、その間に入る「B」がどのような役割を担っているかはさまざまなケースがあります。問屋や卸売りなどが典型的なケースです。そのほかにも、例えば、日本ではタバコの自動販売機に成人認証機能の搭載を義務づけられ、センター認証のデータ通信の必要性が生じ、そこに別の企業によるサービスが介在するので、これもB2B2Cの一形態といえます。企業(出店者)と消費者の間に介在するプラットホームを中間の「B」と考えるならば、天猫(T-mall)はプラットホーム型、京東(JD.com)はプラットフォーム型も取り入れた直営中心型のB2B2Cといえます。
O2Oとは?新しいビジネスモデルがどんどん生まれる
O2Oは「Online to Offline」の略語で「On2Off」と表現されることもあります。当初はオンラインと実店舗との連携や融合を意味していたのですが、最近ではオンラインから、ネット外の実店舗での行動へと促す施策のこと、さらには「オンラインとオフラインが融合し相乗効果をもたらす」施策を表す言葉として使われるようになっています。スマートフォンとソーシャルメディアにより、ネットとリアルがシームレスに連携したことでO2Oへの動きが加速しました。中国のナンバーワン共同購入サイト美団網(Meituan)はO2Oの典型的な例だといえるでしょう。中国のO2Oでは特にQRコードの活用が目立っています。スーパーやデパートの入り口やエレベータ、エスカレーターにはQRコードがあり、それを来場者がスマホでスキャンすることでクーポンやギフトが得られたりします。中国のO2OにとってQRコードは切っても切れない存在になっています。QRコードを最初に導入したオンラインショップは一号店だといわれていますが、急速に拡大したのはなんといっても支付宝(Alipay/アリペイ)や微信支付(WeChat Pay)が登場してからです。今中国でO2Oに関連するホットな話題は「スマホの充電用バッテリー貸し出しスポット」でしょう。外出先でスマホの充電が必要になったときに、スマホアプリで近隣の貸し出しスポットを探し、スマホの機能でバッテリーを受け取り、料金の決済はもちろんモバイル決済です。そして便利なのはバッテリーの返却する場所は借りた場所でなくてもいいことです。このようにO2Oでは新しいビジネスモデルがどんどん生まれていて、その動向から目が離せません。
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