中国ミニプログラム(小程序)トップ10アプリ、新興の「興盛優選」「小年糕+」「成語小秀才」がランクイン
中国のミニプログラム(小程序)評価プラットフォーム・阿拉丁は、「2019年小程序互聯網発展白書」を発表した。ミニプログラム用アプリランキングを始め、最新のデータを見ることができる。2020年のミニプログラム事情を探っていこう。
ミニプログラムの誕生
2016年1月ごろ“微信(Wechat)の父”テンセント副総裁の張小龍は、微信の企業アカウントにあふれる商品情報を見て、「もっと、低コストで企業と顧客を結ぶサービスを提供できないか。」と考えていた。やがてこの目的に沿う、新プラットフォームの研究開発を決め、これを「微信小程序」と名付ける。
同年9月、テンセントは騰訊雲(Q‐Cloud)を通じ、有力企業に新プラットフォームへの参加を呼びかけた。これは大きな反響を巻き起こす。
2017年1月、ミニプログラムは、オープンプラットフォームとして、静かにスタートした。これで個人ユーザーは、Apple StoreやGoogle Playから、アプリをいちいちダウンロードする必要はなくなった。スーパープラットフォームの誕生である。
新アプリを提供する中小ベンチャーにとっては、国民的SNSに組み込まれることで開発、宣伝コストは抑制され、チャンスは大きく広がった。
アリババ、バイドゥも追随し、ミニプログラムはスーパーアプリ必須の装備となった。
ミニプログラムランキング、1~5位
阿拉丁のランキングは独特の視角を持ち、この1年、ミニプログラム内で出色の活躍を示したアプリを取り上げている。
1位 同程芸龍-ホテル、航空券、乗車券、少ないアクセス数で成果を上げる、高DAUの代表。WechatPayのThird-Party画面、1段目左に配置されている。
2位 興盛優選-社区(コミュニティ)電商のダークホース。GMV100億元(1550億円)を実現。
3位 京 喜-京東グループの社交電商(共同購入型ネット通販)プラットフォーム。京東のミニプログラム時代への決意を示している。
4位 小年糕+-動画投稿シェアアプリ。初めから微信プラットフォーム使用を前提としている。DAU4000万突破。
5位 消滅病毒-シューティングゲーム。DAU1000万突破。
6~10位
6位 滴滴出行-配車アプリ最大手。WechatPayのThird-Party画面、1段目中央に配置されて以降、ミニプログラムでもトップ10入り
7位 猫眼電影-オンラインチケット販売。ミニプログラムと娯楽生活シーンの融合を目指す。WechatPayのThird-Party画面、2段目中央に配置。
8位 成語小秀才 越玩越有才-スマホゲーム。作品の優秀さと運営能力の高さで、頭1つ抜け出す。
9位 熱門微博-“コンテンツ+ソーシャル”投稿シェアアプリのリーダー的存在。
10位 京東購物-ネット通販2位、京東のサイト。WechatPayのThird-Party画面、1段目右に配置。
まとめ
WechatPayのThird-Party画面に言及したのは、この4段3列に配置された12アイコンは“十二宮格”と呼ばれ、特別な地位だからである。何しろ彼らの企業価値を合計すると1900万ドルに達する。成功は保障されているのだ。
2019年、ミニプログラムのDAUは、3億3000万、GMV(一定期間の取引総額)は、1兆2000億元(18兆6000億円)に達した。2020年のGMVは4億5000万と見込まれている。ミニプログラムの商業モデルと成長力は、社会に大きな影響を与えた。“十二宮格”はその代表格だが、トップ10ランキングには、新興ベンチャーの産品も含まれている。ミニプログラムはB2Cビジネスの登龍門となっている。中国ネット界、最大の焦点の1つだ。