中国の仮想通貨マネーが日本を侵食?
近年、ビットコインをはじめ仮想通貨を巡っては様々な動きが見られますが、そんな中で先日、テレビ東京のWBSが「中国の投資マネーや取引所が日本に上陸する動きが加速している」と報じました。
投資家が中国の舞台から日本の舞台へ
2017年12月、東京の高級ホテルからバスに乗り込む中国人グループの姿がありました。一見、ただの観光ツアーに見えますが、実は日本のビットコイン市場に投資をしようという投資ツアーなのです。参加者は中国のビットコイン長者が約30人。そこから聞こえた言葉は「世界に影響を与えるような投資をしたいね」「100ビットコインしか持ってないよ」、100ビットコインといえば当時の価格では日本円で2億円超えです。
ビットコインの取引所は中国にもたくさんあるのに、何故わざわざ日本に来たのでしょうか。その最大の理由は中国当局の規制なのです。中国では2017年9月から中国国内での仮想通貨の取引の大半を禁止したため、これを受けて彼ら投資家たちは資金を日本に向けたのです。日本でビットコイン取引を続けるのが彼らの狙いなのです。
取引所も日本の舞台へ
2017年12月のツアーで来日した熊立健さんは中国でビットコインの取引所などを運営しており、中国当局の仮想通貨規制で経営が行き詰まり、日本での仮想通貨取引所の運営会社立ち上げを決めており、日本在住のある中国人経営者と商談に臨みました。そして、その場で日本に取引所を作るための会社を立ち上げることが決まりました。
また中国北京で大手の取引所も日本上陸へと動き出しています。大手取引所を運営する火幣(フオビー)グループも2017年12月に日本のSBIホールディングスとの資本業務提携を発表しています。中国を中心に165万口座を抱える火幣(フオビー)の李林CEOが単独インタビューに応じ、「世界の市場を開拓する第一歩として日本上陸と今回の提携を決めた」「SBIとともに目指すのはユーザー数と資産・取引量で日本一の取引所だ」と語っています。
中国での不穏な動き
また、中国では、仮想通貨を巡って不穏な動きもあります。仮想通貨「五行コイン」は、1年で元本が8倍になるとうたって投資を募りましたが中国当局は2017年にこのコインを作った男を詐欺の疑いで摘発しました。被害は中国全土で40万人、日本円で360億円にも上ったと伝えられています。
そして、類似する仮想通貨も生まれており、その1つは日本でも販売されているといいます。以前、五行コインを扱っていた店が、今は別の仮想通貨「雲尊コイン」を売り出しており、これを買えば元本が1年後に5倍になるなどとうたっていて、店主に話を聞くと、なんと日本でも販売をしているといいます。
店主は「仮想通貨は中国国外では認められている。特に日本の市場は開放的だ。」と言い、「詐欺ではないか」と疑問をぶつけると、答えは「詐欺コインではない、これは雲尊コインだ。おい、撮影するな!」だったとのこと。
中国以外の規制の動き
中国以外での規制の動きは、仮想通貨取引が盛んな韓国が顕著で、韓国当局は仮想通貨絡みのマネーロンダリング取り締まりの一環として一部の銀行を調査しているほか、適格取引所にのみ仮想通貨トレーディングを認める方針を示し、仮想通貨取引のキャピタルゲインに課税する可能性も浮上しています。また、米証券取引委員会(SEC)も一部のICOに対する取り締まりに着手しています。
中国ではここ10年ほど株式から不動産に至るあらゆる相場の浮き沈みが見られ、習近平国家主席が今標的としているのは経済における金融リスクであり、仮想通貨に対する規制もその一環なのですが、結果として、かつて世界の仮想通貨において圧倒的だった中国の影響力が低下しつつあります。
情報参照元:
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/feature/post_147300/
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