3C(CCC)認証とは何か?手続きは簡略化、対象品目は一進一退、自由貿易国にふさわしい制度運用が必要
中国は2001年12月、WTO(世界貿易機構)に加盟した。中国が輸出を更なる経済発展のテコとするため、思い切った自由化を決断した印象だった。そのため中国政府はWTOの義務、約束を守るため、多大なエネルギーを費やしている。2001~2002年にかけ、20万の法律や規定を見直した。輸入についても、同様である。
3C(CCC)認証とは
3C(China Compulsory Certificate system)中国製品安全強制認証制度とは、輸入商品に対し、中国政府が輸入を認めるかどうか審査し、認証する制度である。新しい制度はWTO加盟の半年後、2002年5月からスタートした。
対象となる製品を決めるのは、中華人民共和国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)、中国国家認証認可監督管理委員会(CNCA)だ。これら2つの組織から定期的に公布されている。
当初は、モノによって認証に3~4ヶ月、コストは数十万円~数百万円もかかり、輸出企業にとってかなりの負担となっていた。
対象品目は?
2018年11月、CNCAにより発表された対象リストは下記の通りである。
1 電線ケーブル類(5品目)
2 電気回路、接続用(6品目)
3 低圧電気機器(9品目)
4 小電力モーター(1品目)
5 電動工具(16品目)
6 電気溶接機(15品目)
7 家庭用設備(18品目)
8 オーディオ・ビデオ(16品目)
9 情報技術設備(12品目)
10 照明設備(2品目)
11 自動車及び部品(4品目)
12 タイヤ製品(3品目)
13 強化安全ガラス(3品目)
16 通信端末機器(9品目)
19 安全技術防犯用品(1品目)
21 装飾、内装用製品(2品目)
22 玩具類(6品目)
簡略化は進むが
中国には15の認証機関がある。3Cそれぞれのカテゴリー担当機関は、CNCAが決め、民間検査機関、外国系検査機関は除外されていた。しかし、2013年の三中全会において、3C制度の簡略化と、認証業務開放の方向性を開示した。
対象品目は主に2009年、2013年、2018年に改定された。2013年の段階では、20カテゴリー158品目だった。それが2018年には、17カテゴリー128品目に減少している。消えたカテゴリーは、農機製品、消防製品、無線LAN製品の3つである。欠番のあるのはそのためだ。CNCAはこれについて、市場活力を喚起する“服を捨てる改革”と称としていた。
ところが2019年7月になり、
23 防爆電気(17品目)
24 家庭用ガス(3品目)
が新たに追加された。簡略化と、対象カテゴリーの増減とは連動しているわけではなさそうだ。
まとめ
今後の制度運用をどう見るべきだろうか。当初は、自由貿易体制への移行に際し、国内産業を守る意味合いがあっただろう。外国製なら、最新の産品を導入したい、という考えもあった。例えば産業によっては、中古工作機械の輸入を認めない等の規定がある。当該産業の競争力を高める目的のためだ。
また、検査認証機関の権益確保、組織防衛のため、検査項目や検査自体が伸縮することは、避けられないだろう。
いずれにしろ時代は変化し、中国が一国主義の米国に代わり、自由貿易を守る、と主張している。それにふさわしい簡略化と、機動的な運用を望みたい。