口コミ重視の中国人社会
情報伝達の手段としてマスコミュニケーション(大衆伝達)という言葉があり、そのメディアとしてテレビ、ラジオ、インターネット、新聞、雑誌などが挙げられます。日本人はテレビや新聞報道などマスメディアの情報を受動的に受け入れて鵜呑みにする傾向にありますが、中国人社会においてはそれが当てはまりません。
中国人はマスメディアを鵜呑みしない
中国人は当局の言論統制のもと世論誘導を行う官製メディアを日常的に目の当たりにしているが故に、マスメディアに目は通すもののその情報は鵜呑みにしません。必要ならば、真の情報を自分で入手するのです。インターネットの普及によりSNSという情報伝達ツールなどによる口コミを重要視するようになっています。
もともと中国人は、血縁関係のある身内や親しい友人とのネットワークこそが信じるに値するものであり、決して他人を信用しない気質なのです。そこで言論統制されたメディアは、大雑把に世間の動向を把握する程度のものでしかないわけで、本当に知りたい情報は自分で入手するのが常となっているのです。
中国最大の生活情報口コミ投稿アプリ「大衆点評」
「大衆点評」はユーザーによる口コミによって成り立っており、世界中の生活関連情報と消費者によるレビューを提供するプラットフォームです。この「大衆点評」こそが、中国人の口コミ重視の象徴ともいえるのではないでしょうか。
生活に密接した情報が、それも広告とは違い実際の体験に基づいた口コミ情報であり、中国人の気質にマッチした情報源として人気を博しているのです。
口コミマーケティング
マーケティング手法の一つとしてインルエンサーマケティングがありますが、これは普通の広告とは異なり、商品やブランドがターゲットとするコミュニティやセグメント内において、周囲に影響を与える人物を見つけて、その人物の口コミによる広告みたいなもので、普通の広告以上に効果を発揮しています。
また、中国のSNS上の投稿や在日中国人の生の声といった口コミに基づいて、中国の消費トレンドを把握して中国人の心に矢を射るプロモーションを展開する手法など、中国人の口コミをリサーチしてマーケティングに活かす手法もあります。
以上のように、中国人社会ではマスメディアの情報は話題の素にはなりますが、個人の判断要素としてはあくまでも口コミ情報が一番大きなウェイトを占めています。情報共有の概念が日本のようにマスメディアに依存するのではなく、個々の口コミ重視であるところに大きな違いがります。その分、日本人のほうが騙されやすいのでしょうか。
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