中国企業と日本、日本企業と中国の関わり
中国の自転車のシェアサービス大手である“摩拝単車(モバイク)”が日本に進出すると言われています、これはスマホの専用アプリを使用して自転車をシェアするというサービスなのですが、自転車にGPSを搭載しておき、利用者が最寄りの自転車を探してQRコードを読み取ると解錠されて乗ることが出来るようになり、利用後はスマホで利用料金が自動決済されるというものです。“モバイク”は日本法人を設立して今年の7月に一部地域を皮切りに年内にも主要10都市に展開する見通しだと言います。このように中国が日本にはまだ無い発想で日本の出遅れている分野に進出するとか、逆に日本が中国の遅れている分野に進出するといった形で中国と日本の間には産業経済の面で大きな関わりがあります。
中国企業の日本進出と日本の課題
近年“アリババ”のアリペイが日本のコンビにでも使えるようになっています、また“途家(Tujia)”が日本法人“日本途家株式会社”を設立しました、“途家”は北京に本拠を置く中国人向けのバケーションレンタルサイトで政府機関や不動産企業、旅行サイト、空港運営会社等と連携しながら民泊やホテルの両方に力を注いでいます。そして冒頭の“モバイク”といい中国企業の日本進出が続いていますが、“モバイク”は日本人の利用をも狙っているものであり日本国内への展開にあたっては“個人情報の保護”が課題となりそうです、中国ではネット通販の購買履歴とかチャットアプリの会話内容といった個人情報が企業から個人への監視を強める“某当局”に流れていると言う懸念も強いからです。
中国企業が人手不足で産業用ロボットを爆買い?
中国で産業用ロボットの需要が急増しています、中国企業の製造現場では人手不足や自動化ニーズが背景に有って日系メーカーは増産体制に入っていると言われています。中国の家電部品メーカーの“新露”は加工プレス工程に川崎重工製の産業用ロボット導入しています、人件費の上昇に加え労働人口が減少に転じた中国では省力化のニーズが高まっているのです。危険な仕事、単調な仕事に中国の若者は興味を示さないといい、若者を製造業につなぎ留めるには産業用ロボットを導入して労働環境や待遇の改善が欠かせなくなっているのです。川崎重工は蘇州工場の生産台数を16年度400台から17年度は8割増の700台にするといい、産業用ロボット業界をリードする不二越は18年度までに中国で新工場を稼動させて生産能力を現在の3倍の月産1000台に増やすと言われています、中国人観光客の爆買いばかりでなく中国企業の日本製品の“爆買い?”も始まっているのです。
日本企業の“島津製作所”と中国
島津製作所は中国の大学や研究機関との共同研究を拡大することを明らかにしました、分析計測機器、医療用画像診断機器、航空・産業機器などの分野で活躍している島津製作所は中国において「島津企業管理(中国)有限公司」として13の分公司と他に北京・天津・蘇州・広州・上海・浙江省などで7つの有限公司を展開していますが顧客向け技術開発の拠点である分析センターを20年までに中国全土で8箇所に増やし顧客への体制を整えると言います。食品関連では残留農薬など安全性に焦点を当てていましたが今後は栄養面などの機能性の研究が進む見通しで、更には医療関連の研究も加速しており島津製作所の技術が更に中国に貢献していくものと思われます。
“ニプロ”も中国で増産体制
透析関連、人工臓器関連の製品を中心に様々な医療機器を扱っている医療機器大手のニプロは糖尿病患者などの人工透析治療に使う人口腎臓の生産能力を中国で2倍にするとのこと、国際糖尿病連合によると中国の糖尿病患者は約1億人に達すると言われています、経済成長による食生活の変化に伴い今後も糖尿病患者が増え続けるとみて増産体制を整えるとの事なのです。ニプロの子会社は上海と合肥に有り、尼普洛医療機器(合肥) 有限公司が安徽省(アンホイしょう)にある工場で2017年内に設備増強するそうです。中国では人口腎臓の需給が逼迫しているため日本メーカーの東レ、旭化成なども経営資源を投入しています。
こうして日本と中国はお互いの産業分野で協力し合いお互いの経済成長を促しているのでしょうか、今後も民間レベルの交流が益々深まるものと思われますし、それに伴って政治的にも友好的な関係が増していくことを望むところです。
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