2019年版中国の最新ブラウザシェア(スマホ編)
中国人の使うPCブラウザのシェアは、ChromeとIEで約70%を占め、世界的な潮流とそれほど大きな差はない。特徴は、中国製ブラウザーが一定のシェアを持っていることだ。しかしトップシェアのQQでも6.2%である。
ところが、スマホのブラウザシェアでは、様相が一変する。普通の日本人には、なじみのない中国産ブラウザが大半を占めているのだ。以下、詳しくみていこう。
上位3ブラウザは拮抗
専門サイト「瀏覧器家園」によると2018年、中国のスマホブラウザのユーザー規模は、6億5300万人という。2017年の6億2100万人から3200万人増加した。2018年11月のシェアトップ5は、次のようになっている。
UC手機瀏覧器 28.0%
QQ手機瀏覧器 24.1%
360手機瀏覧器 20.6%
百度手機瀏覧器 11.7%
捜狗手機瀏覧器 5.3%
使い勝手については、全体の69.5%が満足と答えた。不満足は7.0%、どちらともいえない23.5%だった。切り替えを考えている人はあまり多くないかも知れない。
各ブラウザの特徴
QQ、百度、捜狐は、それぞれ大手IT企業、テンセント、バイドゥ(百度)、捜狐が運営している。それ以外のUC、360を含め、瀏覧器家園のコメントを中心に、上位5ブラウザを見ていこう。
UC―2004年設立のUCWeb社が提供している。2014年、アリババが13億ドルを投じ100%子会社化した。このブラウザの特徴はスマホに特化したことだ。そのため、Android、iOS、Windows phone、Symbian,、Blackberry OSなど広範囲に対応している。長所は読み込み速度の速さと、付帯サービスの多さ。欠点は総合的なセキュリティーに弱いこと。
QQ-速度は速く、性能は安定し、流量も少ない。動画、小説、などテンセント系の豊富なエンタメ資源を利用できるのがメリット。
360-IT企業中堅の奇虎360が運営。各種チケットの争奪戦に強く、チケット確保の「神器」と呼ばれている。
百度―非常に素晴らしい、との記載のみで具体的なコメントはない。
捜狐―小説の閲読に強い。ネットの状況に関わらず安定している。小説愛好者の「神器」とされている。
上位3社の混戦状態
中国のスマホブラウザは、PCブラウザの世界とは全く異なり、Google Chrome やApplle Safariの影さえ見えない。これが最大の特徴である。すべてのプラットフォームを取り込んだUCの先行が大きかったようだ。そのUCのシェアはかつて5割以上あったとみられ、当時に比べれば、今は落ちている。その分インド、インドネシアなど、海外指向を強めているようだ。当面激戦の続く上位3社のシェア争いに注目したい。
参考
http://www.liulanqi.net/shouji/6056.html
http://www.liulanqi.net/shouji/5968.html