中国人は本当にクレジットカードを使わない?
現在の中国は、いち早くキャッシュレス社会の時代へと突入しました。多くの中国人は、クレジットカードや現金の使用より、モバイル決済を使用する傾向にあります。では、どうしてモバイル決済は、中国での普及に成功し、中国人からクレジットカードシステムを忘れさせたのでしょうか?中国人は、本当にクレジットカードを使わないのでしょうか?段階的に分析してみましょう。
過去のクレジットカード社会
実際、過去モバイル決済の誕生前の中国でも、クレジットカードを使用する時期がありました。現在に至っては、クレジットカード会社は、クレジットカードの申込みのために、贈り物や現金を送る方法で民衆に積極的にクレジットカードの使用を奨励していますが、ほとんど成功していません。クレジットカードを使う人は、常に上層階級に集中していると言えます。
第一に、一般庶民の普段の消費は、主に衣住食交通などの基本的なものに集中しており、贅沢品や精神上の消費に対しての特別な需要はなく、それらの消費においては必要な現金さえあれば事足りてしまいます。
第二に、多くの人が日常生活で利用する店舗では、クレジットカード決済に対応しておらず、全体的にクレジットカードシステムが消費者の需要に追いついていませんでした。ゆえにクレジットカードの使用は、人々にとって煩わしいものとなりました。
第三に、中国人のイデオロギーでは、「当座貸越」の概念は受け入れにくく感じます。それは、人々が同じものを購入するのに、ゆっくりお金を貯め、その後一括で買いたいと思っているからです。また、先にお金を借りて買い物をし、後でゆっくり返済することも本意ではありません。ですからクレジットカードの概念は、伝統的な中国人にとってはひとつの挑戦となります。
モバイル決済の普及
2004年より、支付宝(Alipay)、微信支付(WeChat Pay)、QQ钱包(QQ Wallet)などの主要な支払いプラットフォームの普及は、国民の支払い方法に新しい変化をもたらしました。モバイル決済の普及は、好条件の結果であると言えます。まず、POSシステムよりもモバイルデバイスのほうがより普及していた中国社会では、ほとんどの人が携帯電話を手放せません。多くの人々は、デスクトップの時代を経験せず、スマートフォンの時代に直接ジャンプした形です。人々の携帯電話への依存が、モバイル決済の誕生にとって重要な条件の1つでした。
朝食を買うために出かけても、おそらく小さな商店ではクレジットカードに対応している機械はないでしょう。しかし、店主は必ず携帯電話は持っています。路面にある大小様々な商店はすべてモバイル決済に対応していますし、ひいては乞食が物乞いをする際でさえ、首からQRコードをぶら下げています。中国ではこのような光景がよく見られます。モバイル決済は、利便性をもたらしましたが、逆にモバイル決済の便利さゆえに、多くの人々がモバイル決済から離れられなくなっています。外出時、財布は持たなくてもいいですが、携帯電話は必ず持たないといけません。
次に、クレジットカードの利用によって発生した高額な利息もまた、多くの人々がクレジットカード離れした原因です。多くの先進国では、クレジットカード決済がすでに独占しているので、当然のことながら簡単にモバイル決済がクレジットカード決済に取って代わることはありません。しかし中国は、ちょうど極めて不安定な変化期にいるので、新しいことを受け入れる方が簡単になります。モバイル決済は、利息や手数料の面でも尽力しています。クレジットカード利用時よりも特典が多く、モバイル決済の財テク項目に基づいています。ですから多くの人々は、好んでモバイル決済で消費します。
モバイル決済信用機能もクレジットカードに取って変わる
クレジットカードの特徴は、まず先に買って後から支払うことです。モバイル決済がリリースした消費信用商品は、クレジットカードの機能と完全に置き換えることができます。たとえば蚂蚁花呗(Ant check later)の場合、支付宝(Alipay)のシステムを使用するだけでクレジットカードのサービスを利用することができます。ユーザーは500~50000元の使用枠があり、無利息期間は長く、オンラインショッピングが好きな若者に適しています。また、蚂蚁花呗(Ant check later)のポイントは様々なサービスや商品に交換することができます。クレジットカードと何も違いはなく、携帯電話1つで利用することができてとても便利です。
安全性の面では、モバイル決算の大部分が指紋認証+暗証番号のモデルを採用しており、携帯電話を落としても、指紋がなければ誰も盗用できないので十分安全と言えるでしょう。また、モバイル決済は実名制を採用しているので、どんな消費記録もすべて調べることができ、消費者の権益を侵害される心配もありません。
見たところ、おそらく中国人はクレジットカードよりもモバイル決済を好むようです。その客観的な要因は、中国が社会の変化期に差し掛かっており、まだ1つの成熟したクレジットカード決済システムを形成していないところにあります。それがモバイル決済に発展の余地をもたらしました。
中国は、現金払いからモバイル決算の時代へ進み、その中間は断層状態です。モバイル決済が独占となった原因は、中国人の消費習慣、モバイル決済の利便性と低コストです。クレジットカードの改善がない状況下で、モバイル決済は、これらの問題への鍵をつかむことができたため、広く普及し、評価を得られました。
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