微信支付(WeChatPay)と支付宝(Alipay)の違いとは?
モバイル決済は、多くの人の日常生活の中で不可欠なものとなりました。キャッシュレス社会では、出かける時に財布を持つ必要もありませんし、他人が小銭を探すのを待つ必要もありません。スマートフォンをタッチし、一瞬で支払いが完了します。これは本当にすごいことです。
多くの人々が、微信支付(WeChatPay)も支付宝(Alipay)もどちらも利用します。ほとんどの店舗で基本的にはどちらにも対応しています。私たちの生活の中では、すでに支付宝(Alipay)も微信支付(WeChatPay)もあまり大きな違いはなくなっています。では、微信支付(WeChatPay)と支付宝(Alipay)の両者には、それぞれどんな特色があるのでしょうか?
微信支付(WeChatPay)は社交性を重視
多くの人が微信(WeChat)での支払いを使い始めたばかりの頃は、まず紅包(ラッキーマネー)を試してみることから始めると思います。そうです、微信(WeChat)の紅包と送金機能は、微信(WeChat)友達の社交的な楽しみを提供しています。新年や節句のたびに、もう現金を包む必要はありません、直接微信(WeChat)のグループに紅包を送信すれば、みんな一緒に運試し(送った紅包の総額をグループのメンバーがランダムな金額を受け取ることができる)をすることができます。これは楽しさ満載です。
友達に借りたお金も、直接会って返さずとも、微信(WeChat)に送金すれば相手は受け取ることができます。両親への親孝行の際にも、果物かごを見繕う必要もありません、微信(WeChat)で紅包を送ればいいのです。特に中高年の方は、おそらく支付宝(Alipay)はあまり利用されません。しかし、子供たちとのコミュニケーションのためにも、微信(WeChat)は頻繁に使わなくてはいけません。この点からすると、微信(WeChat)のユーザー依存は高く、更には社交目的及び財布代わりとして使われているように思われます。
支付宝(Alipay)は金融関連に特化
微信支付(WeChatPay)に比べると、支付宝(Alipay)はすべての財布機能を兼ね備えています。一通りの基本的な生活での支払い機能、例えば、電話代のチャージ、水道代、電気代、ガス代、インターネット、不動産費用等すべて支付宝(Alipay)を通して支払いすることができます。
その他、支付宝(Alipay)は海外での買い物にもとても便利です。今の所、日本のケンタッキー、ローソンでもすでに支付宝(Alipay)での支払いが可能になっています。多くの海外での観光ホテル、入場チケット、切符の購入まで、すべて支付宝(Alipay)を通して支払いが可能、もしくは予約が可能です。多くの中国観光客が国外に行っても、まるで国内にいるかのように、いつもの便利な支払い機能を利用することができるのです。
また、国内ではこれらの類の支払い機能は更に進んでおり、新幹線や航空券予約をしたい時、またはタクシーを呼びたい時には、直接支付宝(Alipay)アプリ内でそれ相応の機能を見つけることができます。そして、支付宝(Alipay)では毎回の1角(0.1元)までもの支払い履歴を即座に調べることができ、毎年使用状況の報告が出るので、自分で毎月いくら使ったのかを見ることができます。収入はいくらか、友人と比べてみることもまた十分な話題となることでしょう。
最後に、支付宝(Alipay)の最も重要な特徴は、その財産管理項目にあります。「余额宝」等の基金財テクだけでなく、「蚂蚁花呗」(ANT CHECK LATER)等のクレジットローン機能もあります。これらの金融項目により、支付宝(Alipay)は完全にクレジットカードと取って代わり、中国人のお気に入りとなりました。クレジットカードと比べ利息は低く、収益率がいいので、支付宝(Alipay)は多くのユーザーの資本投入を牽引し、ついには独自の金融帝国を築き上げました。
両者の競争関係
現在、大部分の商業店舗で微信支付(WeChatPay)と支付宝(Alipay)の2種類、さらにはそれ以上の支払い方法に対応していますが、この両者の競争関係について、競争の激化を避けられない場所は常にあります。例えば、最近ウォールマートでは支付宝(Alipay)に対応していません。ここしばらくの間、馬氏(アリババ創業者)は、RT-Mart(大润发)の株主になり、RT-Martはウォールマートの中国での競争相手であるため、ウォールマートは微信支付(WeChatPay)での支払いのみに対応することを選択し、相手に打撃を与えていると考える人もいます。
逆に、アリババ傘下の天猫(Tmall)や淘宝(タオバオ)でのショッピングプラットフォームでは、微信支付(WeChatPay)での支払いを全くサポートしていないことは、驚くことではありません。支付宝(Alipay)はもともと淘宝(タオバオ)での買い物時の保管資金の第三プラットフォームとして立ち上がりました。利用者は、まず商品代金を支付宝(Alipay)に振り込み、商品を受け取り、問題がないことを確認した後、支付宝(Alipay)より代金が店に支払われます。これにより、買い手の権益が保証されるだけでなく、売り手の権益も保証されます。
今日、微信支付(WeChatPay)の機能は徐々に強化されつつありますが、要改善点が1つあります。それは、データセキュリティー問題です。テンセント傘下の製品は、データ機密の面において信頼性は高いものではありません。ビックデータ時代において、個人情報漏洩は多かれ少なかれ起こりうるものです。しかし、微信(WeChat)には盗まれた身分証で開かれたアカウントも多く存在します。それに比べ、支付宝(Alipay)のセキュリティシステムは充実しており、銀行カードは盗まれ引き出しされる恐れはありますが、支付宝(Alipay)は指紋認証での支払いのため、比較的安心できますし、利用者の情報セキュリティもさらに保証されています。
多くを述べてきましたが、微信支付(WeChatPay)と支付宝(Alipay)とのライバル関係を感じとることはできましたでしょうか?全体的には、微信支付(WeChatPay)の方が非常に市場を把握しており、支付宝(Alipay)から市場全体を占領しつつある情況下で、依然と新たなルートを切り開き、これほども多くの市場シェアを獲得しています。これは、微信(WeChat)グループの努力の賜物でしょう。支付宝(Alipay)であっても微信(WeChat)であっても、古いものを取り除き、よいものを吸収して新しく発展し続けていくことで、ユーザーを引き付け、より多くの電子決済の軌跡を作り出していけるのです。
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