2025年版|大阪万博×Sales Navigator活用術|海外バイヤーを展示会前に攻略する方法

監修者
中島 嘉一
SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。
Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。
目次
1.なぜ今、“展示会前営業”が注目されているのか?
展示会営業の「当日勝負」は時代遅れ?
従来の展示会営業では、当日に名刺交換をしてから関係構築を始めるのが一般的でした。しかし、現代のBtoB営業において“当日勝負”の営業スタイルは非効率です。特に2025年の大阪万博のように国際的な場では、出展企業や海外バイヤーも事前にオンラインで情報を集め、商談先候補をリストアップしています。当日会ったばかりの企業よりも、事前にやり取りがある相手に親近感を持ちやすく、アポイントもスムーズに進む傾向があります。つまり、「名刺交換の前に営業は始まっている」のです。LinkedIn Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)を活用すれば、出展企業のキーマンに事前にコンタクトを取り、展示会前に関係性を築くことが可能です。当日ではなく“前日までにどれだけ仕掛けたか”が成果を左右する時代になっています。
海外バイヤーは万博前から情報収集中
2025年の大阪万博は、多くの海外バイヤーや出展企業が事前にリサーチを重ねた上で来場します。彼らは来場前から商談先や興味のある製品・企業をチェックしており、「展示会に来てから考える」という時代ではありません。特に海外から来るバイヤーは、限られた日程の中で効率よく商談を進めるため、LinkedInなどのSNSで出展企業の担当者や営業とすでに接点を持っているケースも少なくありません。出展者側としても、ただ待っているだけでは見込み顧客と接点を持つことは難しくなってきています。こうした変化に対応するには、LinkedIn Sales Navigatorを使って事前にターゲットバイヤーを特定し、来場前にアプローチを開始することが非常に有効です。
Sales Navigatorなら事前に接点を作れる
Sales Navigator(セールスナビゲーター)を使えば、まだ出会っていない見込み客とも“展示会前”に接点を持つことができます。特に海外バイヤーのように事前に来場目的を明確にしている層に対しては、展示会前からのアプローチが非常に効果的です。Sales Navigatorでは、業界・役職・国・興味関心などのフィルターで精度の高いターゲティングができ、狙いたいバイヤーのキーパーソンを簡単に特定できます。彼らに対してInMailや接続リクエストを送り、事前にやり取りを開始することで、展示会当日の商談の質が飛躍的に向上します。まったく知らない企業と会うよりも、「事前に話していたあの企業」として認識されることは、大きな信頼の差になります。展示会を“初回接触の場”ではなく“商談の場”に変えることができるのです。
2.Sales Navigator(セールスナビゲーター)とは?
LinkedIn Sales Navigatorの基本機能
LinkedIn Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)は、BtoB営業に特化した有料機能付きの営業支援ツールです。通常のLinkedInでは見つけづらい決裁者・役職者を簡単に検索でき、営業リストを自動で管理・保存できます。検索機能では企業名・職種・勤務地・業界・役職・キーワードなどを複合的に組み合わせて、非常に精密なリード抽出が可能です。また、相手の投稿や転職などのアクティビティも通知されるため、営業タイミングを逃しません。さらに、InMailというLinkedInのDM機能を使って、つながっていない相手にも直接連絡が取れる点が大きな特徴です。展示会営業だけでなく、海外営業、アライアンス開拓、採用など幅広い用途で活用されており、世界中の営業担当が成果をあげています。
展示会営業との相性が良い理由
Sales Navigatorは、展示会営業との相性が非常に高い営業ツールです。その理由は、「物理的に接触する前に、関係性を築くことができる」点にあります。たとえば大阪万博のような国際展示会では、出展者とバイヤーが一堂に会する場ですが、出会った瞬間から商談がスタートするわけではありません。しかし、Sales Navigatorで事前にターゲット企業の担当者とつながっていれば、当日の会話は「初めまして」ではなく「こんにちは、メッセージありがとうございました」から始められるのです。これにより、展示会当日の限られた時間を、自己紹介ではなく本質的な提案に使えるようになります。また、展示会終了後もLinkedIn上で関係を継続できるため、単発の接点で終わらない“つながり営業”が可能になります。
BtoB海外営業での具体的な活用イメージ
Sales Navigator(セールスナビゲーター)は、BtoB海外営業の現場でも非常に強力な武器になります。たとえば、海外市場で新たな代理店を開拓したいとき、国・業界・企業規模・役職などの条件で検索することで、現地の営業責任者やビジネス開発担当者に直接アプローチが可能です。言語・文化の壁を越える前に、LinkedIn上で“接点を持ってから話す”というステップを挟むことで、初回の印象や信頼感が格段に向上します。また、英語でのテンプレートを用意しておけば、複数の国の企業に効率的にリーチでき、同時に商談の母数を増やせるのも魅力です。加えて、営業リストを保存し、反応率やステータスを管理することで、チームでの連携やPDCAの精度も上がります。展示会に限らず、日常の海外顧客開拓にも広く応用できるツールです。
3.大阪万博の出展企業・来場企業をSales Navigatorで探す方法
出展社リスト×企業検索の連携方法
大阪万博では公式サイトや出展者ガイドなどに、海外の出展企業リストや出展カテゴリーが公開される予定です。これらの情報をSales Navigatorの検索機能と組み合わせることで、精度の高い企業リストが作成できます。たとえば、出展企業名をそのままSales Navigatorの企業フィルターに入力し、従業員規模や業種を絞り込めば、営業対象になりそうな企業を一覧で取得可能です。また、その企業のLinkedInアクティブユーザーがどれくらいいるか、誰が営業・マーケティング・調達などのポジションにいるかを可視化できるため、無駄な営業工数を大幅に削減できます。さらに、ターゲットリストは保存でき、チームで共有することも可能なので、事前準備から当日の対応まで一貫したアプローチが実現できます。
キーマン発掘|職種・役職フィルターの活用
Sales Navigatorの真価は、キーマンの特定力にあります。万博のような大規模展示会では、出展企業が多く、担当者が誰かわからないという課題が発生しますが、Sales Navigatorを使えば企業内の「役職」や「部署」をフィルターにかけて、営業ターゲットとなる人物を簡単に見つけることができます。たとえば「Procurement Manager(購買部長)」「Business Development Director」「マーケティングマネージャー」などの役職名を入力し、国や業種を絞り込めば、まさに商談対象となるキーパーソンが一覧で抽出されます。さらに、過去に勤務していた企業や学歴、接点のある共通知人などの情報も確認できるため、初回コンタクトの際にパーソナライズされたメッセージを送る準備も整います。
InMailやつながり申請を送るタイミングのコツ
Sales Navigatorでは、相手とつながっていなくてもInMailを使って直接メッセージを送ることができますが、タイミングによってその反応率は大きく変わります。たとえば、展示会の数週間前はバイヤーも情報収集段階に入っており、メッセージを見てもらいやすい時期です。一方で展示会直前の1週間は予定が詰まり、返信率が下がる傾向にあるため、早めのアプローチが効果的です。さらに、つながり申請(接続リクエスト)は展示会開催の3〜4週間前を目安に送ると、当日までに関係構築できる可能性が高まります。メッセージを送る際は、「大阪万博で貴社の出展を拝見予定です」といったイベントに触れる一文を添えると、スパム的印象を与えず自然な導入になります。
4.海外営業につなげるアプローチ術【テンプレート例つき】
初回メッセージの書き方テンプレート(万博参加者向け)
展示会前に初回メッセージを送る際は、短く・丁寧に・相手の関心に沿った内容を心がけることが重要です。たとえば「〇〇様、初めまして。大阪万博に出展される貴社の製品に興味を持ち、ご連絡させていただきました。当日はブースにも伺いたいと考えておりますので、もしよろしければ事前にご挨拶させていただければ幸いです。」というように、相手に負担をかけず、誠実な意図が伝わる内容が望ましいです。特に海外のバイヤーに対しては、カジュアルすぎず、かつ簡潔な英語でのメッセージが好まれます。Sales Navigatorでは、過去の投稿やプロフィールから関心分野も推測できるため、それを踏まえて一文添えると返信率が上がります。テンプレを使いつつも、相手に合わせた“ひと工夫”が成果につながります。
展示会直前・直後のフォローアップ文例
展示会直前・直後のフォローアップは営業成果を左右する重要なフェーズです。直前はリマインド的に「事前にご連絡させていただいた〇〇です。展示会当日はご挨拶させていただければ幸いです」といった簡潔な連絡が有効です。一方で、展示会直後はタイミングを逃さず24〜48時間以内にフォローすることで、記憶が鮮明なうちに次のアクションに繋げることができます。例えば「先日は展示会で貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。ご興味を持っていただいた製品の詳細資料をお送りします」といったメッセージに資料リンクを添えるのが効果的です。Sales Navigatorで接続済みであれば、メッセージ履歴も参照でき、会話の流れに沿った自然なフォローが可能になります。
Sales Navigatorの「リスト保存」や「アラート」機能活用法
Sales Navigatorには、営業活動を効率化する“仕組み化”機能が数多く備わっています。その一つが「リスト保存機能」です。事前に作成したターゲット企業リストを保存しておけば、毎日の営業先確認がワンクリックで可能になります。また、キーマンを「リード」として保存しておくことで、その人物の役職変更・投稿・転職などのアクティビティが通知される「アラート機能」も非常に便利です。これにより、相手の動きに応じて自然なタイミングでアプローチをかけることができ、営業の質が向上します。展示会のような短期イベントにおいても、リストを基にした事前準備、アラートによるタイミング戦略が明確になり、チーム全体の営業活動に一貫性が生まれます。
5.まとめ|Sales Navigatorで大阪万博を“事前商談フェーズ”に変える
今すぐ始められるステップ
Sales Navigatorを活用した展示会営業は、複雑に見えて実はシンプルなステップで始められます。まず最初にやるべきことは、「自社のターゲット層を明確にする」こと。どの国・業界・職種のバイヤーにアプローチするのかを整理しましょう。次に、展示会の出展企業リストや公式情報を参照し、Sales Navigatorで該当企業を検索。フィルター設定を活用してターゲット担当者を洗い出します。その後、つながり申請またはInMailでコンタクトを取り、リストとして保存しておけば、アプローチの進捗を管理しやすくなります。特別なツールは不要で、LinkedInのSales Navigatorさえあればすぐに開始できる点も魅力です。初期設定と基本操作さえ理解すれば、誰でもすぐに実践に移すことが可能です。
展示会後も長期営業資産になる“つながり”を築く
展示会の最大の課題は、“出会いっぱなし”で終わってしまうことです。名刺を交換しても、フォローがなければ関係性はすぐに薄れてしまいます。しかし、Sales Navigatorでつながった相手とは、展示会後もLinkedInを通じて継続的に接点を持つことができます。相手が投稿したコンテンツにコメントしたり、自社の最新情報を発信することで、“営業されている感”のない自然な関係性を維持できます。また、リスト保存やアラート機能により、タイミングを見計らった再アプローチが可能になるため、単発の営業から「関係性ベースの営業」へと進化できます。展示会で得たつながりを、長期的な営業資産へと育てていくには、LinkedInとの連携が不可欠です。
今後の国際展示会にも応用できる活用ノウハウ
Sales Navigatorを活用した営業スタイルは、大阪万博に限らず、今後のすべての国際展示会に応用可能です。むしろ海外展示会ほど、事前の接触や情報収集の有無が成果に直結します。例えば、CES(アメリカ)、Hannover Messe(ドイツ)、China Import and Export Fair(中国)など、世界的なBtoB展示会では、訪問者・出展者双方が事前にSNSを駆使して情報を集め、会うべき相手を絞り込んでいます。こうした国際展示会では、商談時間が短く、スピード感と事前準備が求められます。Sales Navigatorはその両方に対応できるツールであり、どんな国や業種でも柔軟にフィルター設計ができるのが強みです。一度使い方を習得すれば、どの展示会でも再現性高く活用できる“営業インフラ”になります。
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監修者紹介
中島 嘉一 代表取締役
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