【保存版】Sales Navigatorで見込み顧客を集めて、LinkedIn Liveで惹きつける新・営業戦略

監修者
中島 嘉一
SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。
Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。
1.なぜ今、LinkedInを営業インフラとして活用すべきなのか
展示会・テレアポの限界とオンライン営業へのシフト
近年、海外営業の現場では従来の展示会出展やテレアポに頼る手法に限界を感じている企業が増えています。特にコロナ以降、顧客の情報収集やベンダー選定の初期段階は、対面ではなくデジタル上で行われるようになりました。実際にBtoBの意思決定者の多くが、営業担当と話す前にオンラインで8割以上の情報を集めているという調査もあります。こうした中で、物理的な接点だけに依存した営業手法は、見込み顧客に出会うタイミングそのものを逃すリスクがあります。さらに、展示会には高額な出展費や準備工数がかかり、テレアポはつながらない・嫌がられるといった課題が顕在化しています。そのため、初期接点から継続的な関係構築までをデジタルで実現できる仕組みが、今後の営業活動に不可欠となりつつあります。
LinkedIn(リンクトイン)で顧客の“情報収集行動”を捉える
営業の初期接点をつくるには、顧客が「情報収集」をしているタイミングを逃さず捉えることが重要です。そこで注目されているのが、ビジネス特化型SNSであるLinkedIn(リンクトイン)の活用です。LinkedInでは、企業のキーパーソンが業界トレンドや製品情報を日々チェックしており、自ら発信することも珍しくありません。こうした投稿やフォローの履歴は、今どんな課題意識を持っているかを示す“シグナル”として活用できます。加えて、企業アカウントや個人のプロフィール経由での接触も自然に行えるため、情報提供という名目での接点づくりがしやすいのも利点です。従来のように「営業感の強い押し売り」ではなく、相手の関心やニーズに合わせたアプローチが可能になります。つまり、LinkedInは見込み顧客の行動を可視化し、そこにタイミングよく接続できる“営業の入り口”として機能するのです。
BtoB営業の接点は“つながり”から“育てる”時代へ
従来の営業活動では、名刺交換や初回訪問など「つながり」を持つことが最初の目標でした。しかし今では、つながった後にどのように関係を深め、商談や成約につなげるかが重視されています。特に海外営業では、メールや会話だけでは信頼構築に時間がかかるため、オンライン上で継続的に存在を示し続ける工夫が求められます。そこで注目されているのが、LinkedIn Sales Navigator(リンクトインセールスナビゲーター)を活用した“育てる営業”です。Sales Navigatorは、つながった相手の役職変更・投稿・ニュースなどを常に把握でき、最適なタイミングで接触することができます。一度つながった相手を“放置”せず、関心を見ながら関係性を温めていく——そうした営業スタイルこそ、今後のBtoBビジネスで成果を上げる鍵となります。売り込みではなく、対話を続ける姿勢が信頼を生み、最終的な成約につながるのです。
目次
2. Sales Navigatorで見込み顧客を的確にリストアップする方法
業種・地域・職位フィルターの実践テクニック
LinkedIn Sales Navigator(セールスナビゲーター)を活用する最大のメリットは、ターゲットとなる企業や担当者を業種・地域・職位などの詳細な条件で絞り込める点です。まず業種では、自社製品が強みを発揮しやすい特定セグメント(例:医療機器、半導体、化学品など)を選定します。地域については、アジア、北米、ヨーロッパなどの大分類に加えて「都市レベル」まで指定が可能です。職位では、決裁権を持つ「Director」「VP」「Head of」などのタイトルを軸に検索をかけると、商談化率の高いリストになります。これらの条件を組み合わせることで、無駄なアプローチを避け、精度の高い見込み顧客リストを短時間で作成できます。複数条件を保存しておけば、後日も再利用できるため、営業リストの作成・更新の効率も格段に向上します。
Sales Navigator(セールスナビゲーター)で決裁者を見つけるには
BtoB営業において最も成果に直結するのが、「誰にアプローチするか」の見極めです。Sales Navigator(セールスナビゲーター)では、企業ごとに在籍するキーパーソンを簡単に特定できます。特に重視すべきは、「役職キーワード」の設定です。たとえば、「Procurement Manager(購買マネージャー)」や「CTO(最高技術責任者)」など、業種や商材に応じて決裁に関わる可能性が高い役職を指定します。さらに、Sales Navigatorでは、組織構造やつながりの有無も可視化されるため、自社との関係性を持ちやすいルートからのアプローチも検討できます。過去に接点があった企業でも、人事異動や新設部署により新たな決裁者が登場しているケースは多く、常に最新の情報で確認することが営業の成果に直結します。
保存検索・タグ機能を使った営業リストの整理術
Sales Navigator(セールスナビゲーター)は、見込み顧客を検索するだけでなく、継続的に管理・追跡する仕組みとしても優秀です。その中心となるのが、「保存検索」と「リードタグ」機能です。保存検索では、自分が設定したフィルター条件をそのまま記録できるため、毎回条件を入力する手間が省けるだけでなく、新たに条件に合致したリードが出現した際に通知を受け取ることも可能です。一方、リードタグは、保存した見込み顧客に「展示会接点あり」「ウェビナー参加者」「高関心」などの分類を付けることができ、営業リストの状態を可視化できます。チーム内でタグのルールを統一すれば、情報共有や優先順位付けがスムーズに行えるようになります。これにより、属人的な管理から脱却し、組織的な営業活動が可能になります。
3. LinkedIn Live × Eventsを使ったウェビナー戦略の立て方
LinkedIn Live(リンクトイン・ライブ)の基本と成功させる要素
LinkedIn Live(リンクトイン・ライブ)は、LinkedIn上でウェビナーやライブ配信を実施できる公式機能です。従来の動画配信と異なり、ビジネスネットワーク上でリアルタイムに接点を作れるため、営業やマーケティングの活動に直結します。企業ページやイベントページと連動させることで、事前に興味関心の高いフォロワーやターゲットに告知し、集客が可能になります。また、ライブ開始時には参加者に通知が届くため、視聴者数の底上げにも効果的です。ライブ配信後は録画が自動的に保存され、アーカイブとして再活用できるのも大きな特徴です。ウェビナーのテーマ設定、登壇者の信頼感、視聴者とのインタラクション(質疑応答やチャット)などが成功の鍵となります。高品質なコンテンツを継続的に発信することで、見込み顧客の関心を引き、商談化の可能性を高めることができます。
Sales Navigatorからウェビナーへの自然な誘導導線
Sales Navigator(セールスナビゲーター)で見つけた見込み顧客を、いきなり商談に誘導するのではなく、まずはLinkedIn上のウェビナーイベントに参加してもらう導線を設計するのが効果的です。たとえば、保存したリードに対してInMail(インメール)機能を使って「業界トレンドを紹介する無料ウェビナーのご案内」といったメッセージを送れば、相手にとって営業色が薄く、情報提供として自然な接点になります。また、事前に相手の投稿に「いいね」やコメントをしておくことで、招待メッセージを受け入れてもらいやすくなります。イベントページをLinkedIn内に設置することで、登録やリマインダー設定が簡単に行えるため、誘導のハードルも低くなります。こうした“営業ではなく共感”を起点にした導線設計こそ、デジタル時代のBtoB営業において効果を発揮します。
配信ツールの選定とイベント運営フローのポイント
LinkedIn Live(リンクトイン・ライブ)を実施するには、外部の配信ツールと連携する必要があります。代表的な対応ツールとしては、StreamYard、Restream、Zoom(プレミアプラン)、Socialiveなどがあり、どれもRTMP連携に対応しています。配信の安定性や画面共有機能、複数登壇者への対応など、自社のニーズに応じて選定しましょう。イベント運営フローとしては、まずLinkedIn上でイベントページを作成し、Sales Navigator経由でターゲットに告知・招待を行います。配信当日は5〜10分前から待機画面を出し、定時スタートが望まれます。終了後は録画を活用して、参加できなかった見込み顧客にもフォローを行うと効果的です。また、参加者へのお礼メッセージと次のステップ(相談・資料提供など)を案内することで、ウェビナーが商談化につながりやすくなります。
4. ウェビナー後のリード育成と“オンライン営業モデル”の定着に向けて
参加者と接点を継続させるつながり方とタイミング
ウェビナーに参加してくれた見込み顧客は、まさに“関心の高いリード”です。そのまま放置するのではなく、適切なタイミングでつながり、関係性を深めることが重要です。LinkedInでは、イベント参加者に対してプロフィール閲覧やフォローをきっかけに接点を作ることができます。さらに、Sales Navigator(セールスナビゲーター)を活用することで、参加者をリードとして保存し、タグ付けやリスト管理が可能になります。InMailを通じて「参加のお礼」や「参考資料の共有」といった非売り込み型のメッセージを送ることで、商談への自然な導線がつくれます。ウェビナー終了直後から1週間以内が最も反応が得られやすいタイミングです。情報提供と信頼構築を並行しながら、相手の状況に応じたアプローチを展開していくことが、成果につながるカギとなります。
ウェビナー後に効果的な営業アプローチを仕掛ける方法
ウェビナー終了後は、参加者との「単なるつながり」を「商談のきっかけ」に変えていくフェーズに入ります。最初のアプローチでは、ウェビナーで話題に上がった業界課題や参加者の反応に触れながら、関連資料やホワイトペーパーを提供するのが効果的です。ここでもSales Navigator(セールスナビゲーター)のリード管理機能が活躍します。参加者の所属企業のニュースや投稿履歴をチェックし、個別に最適化されたInMailを送ることで、テンプレート的な営業とは一線を画すパーソナライズドなアプローチが実現できます。また、Zoomやイベントページの登録情報をもとに、営業担当とマーケティング部門が連携してフォロー体制を構築することで、機会損失を防ぎます。「配信して終わり」ではなく、「対話の始まり」としてウェビナー後を位置づけることが、成果を出す営業活動のポイントです。
オンライン営業を社内に根づかせるための考え方と実践ポイント
一度ウェビナーやSales Navigator(セールスナビゲーター)を使って成果が出ても、それが一過性の取り組みで終わってしまえば意味がありません。重要なのは、こうしたオンライン営業の仕組みを継続可能な社内プロセスとして定着させることです。たとえば、営業チームが日常的にSales Navigatorを使い、ターゲット検索からリスト管理、アプローチの記録までを一元化すれば、属人的な営業から脱却できます。また、マーケティング部門と連携し、ウェビナー企画や告知、終了後のナーチャリング設計を分業すれば、少人数でも高効率の営業体制が可能になります。さらに、月次でKPI(つながり数、参加率、商談化率など)を共有・検証し、施策を改善するPDCAサイクルを回すことが、長期的な成果につながります。オンライン営業は“仕組み化”が成功の秘訣です。

監修者紹介
中島 嘉一 代表取締役
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株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。