
実例でわかる!Japan Streetで海外販路を開拓した日本企業たち【BtoB成功事例集】
目次
1. なぜ今、Japan Streetの活用が注目されているのか
中小企業の海外営業における「情報」と「接点」の壁
「海外に売りたいけど、どうやって相手を見つければいいのかわからない…」そんな悩みを持つ中小企業は多いはず。特にBtoB営業では、相手企業の信頼性や交渉ルートの不明瞭さがネックとなり、踏み出せないケースが目立ちます。Japan Streetは、こうした“情報と接点”の壁を打破する公的支援ツールとして注目されています。JETROが信頼性のある海外バイヤーを招待し、マッチングと商談までを一気通貫で支援。営業経験が少ない企業でも、安心して海外展開の第一歩を踏み出せます。
展示会・商社頼みから“自力で探す”営業へ
従来の海外営業手法では、展示会への出展や既存の商社を通じた販路開拓が一般的でしたが、それだけでは持続的な成果に限界があります。今後は「自らバイヤーを探し、つながる力」が求められる時代。Japan Streetは、オンラインで海外バイヤーと商談機会を得られる場を提供し、企業が自立して販路を開拓できる“実行型”の営業ツールとして注目を集めています。属人的な営業ではなく、戦略的かつ仕組み化されたアプローチが実現できます。
国が支援する商談マッチングが急成長
Japan StreetはJETROが提供する無料の商談支援プラットフォームであり、その最大の魅力は「安心して使える公的支援」であることです。登録や掲載はもちろん、商談の日程調整や通訳サポートまで一貫して支援され、企業のリスクを最小限に抑えながら販路開拓が可能です。特に、輸出未経験の企業でも1ヶ月以内に成約を実現するケースが増えており、Japan Streetは“試す価値のある販路開拓インフラ”として広がりを見せています。
2. 成約まで1ヶ月!寝具メーカーが中国進出を果たした理由(正絹羽毛ふとん)
China Japan Streetでスピード商談
愛知県の寝具メーカー「正絹羽毛ふとん株式会社」は、China Japan Streetに登録した直後、JETROを介して上海の高級寝具バイヤーと商談の機会を得ました。登録から成約までわずか1ヶ月というスピード展開は、商品の魅力だけでなく、JETROのマッチング体制があってこそ実現したものです。現地に行かずとも、ターゲット市場にアプローチできるJapan Streetの即効性が如実に現れた成功事例です。
上海のバイヤーと直接つながり、淘宝網で販売開始
商談成立後、バイヤーは同社の高品質な羽毛ふとんを中国国内で販売することを決定。商品はすぐに中国最大級のECサイト「淘宝(タオバオ)」に掲載され、オンライン販売が開始されました。リアル展示会に出展せずとも、現地の消費者にリーチできる構造が、Japan Streetを活用した販路構築の大きなメリットです。新しいチャネル開拓に成功した事例として、JETROも紹介しています。
成果につながったのは商品力+サポート体制
成約の背景には、商品そのものの品質はもちろん、JETROによる事前ヒアリングや商談同席、通訳手配などの手厚いサポートがありました。言語や商習慣の違いを懸念していた企業にとって、このような“営業同行”とも言える体制は、初めての海外営業において非常に心強いものです。Japan Streetは単なるマッチングサイトではなく、「伴走型の販路支援ツール」として機能しています。
3. 北米で50ブランド導入!カナダ企業IPPINKAの活用例
ライフスタイル商品をEC×展示で展開
カナダのセレクトショップIPPINKAは、日本の伝統工芸品や高品質な日用品を世界へ届けるEC企業です。Japan Streetを通じて、厳選された商品にアクセスし、カナダ・アメリカ市場向けに多角的な展開を実現しています。展示会や自社オンラインショップに加え、ECモールなども駆使し、日本製品の価値をわかりやすく発信。Japan Streetを調達窓口として活用し、海外消費者への接点を増やしています。
Japan Street経由で仕入れ、Amazonでも販促
IPPINKAは、Japan Streetで発見したブランド製品を複数導入し、自社ECに加えてAmazonでの販売にも取り組んでいます。見込みのあるブランドを自ら選定し、現地ニーズに合わせた説明文やマーケティング素材を用意することで販促を強化。Japan Streetを“商品の仕入れソース”として機能させながら、海外市場での露出と販売機会を最大化しています。
JAPAN MALLとの併用で売上拡大
JETROが提供するJAPAN MALL(海外ECでの販促支援)も併用することで、広告や特設ページなどの施策が可能に。Japan Streetで出会った商品をJAPAN MALLで紹介・販売するという流れは、販路構築とプロモーションを両立する好循環モデルとなっています。IPPINKAはこの仕組みを活かし、約50ブランドの商品展開を実現。中小メーカーとの継続的な取引を通じて、北米での日本ブランド浸透を着実に進めています。
4. 茶道具メーカーがNYのバイヤーと取引開始(奈良県の伝統工芸品)
海外販路のなかった老舗が初の成約
奈良県にある創業100年を超える茶道具メーカーは、これまで国内市場に限定した販売を行ってきました。しかし、Japan Streetに製品を掲載したことで状況が一変。海外文化に興味を持つニューヨークのバイヤーの目に留まり、オンラインでの商談がスタート。職人のこだわりと歴史ある茶筅の魅力が評価され、成約に至りました。海外販路を持たなかった老舗が、初めての輸出を実現した象徴的な事例です。
Japan Street掲載後、国際文化市場で評価
この老舗メーカーが扱う製品は、日本国内では高級茶道具として知られていましたが、海外ではまだ無名でした。Japan Streetに掲載されたことで、海外のバイヤーが商品に触れる機会が生まれ、伝統的な手仕事や日本文化そのものに関心を持つ層にアプローチできるようになりました。特にニューヨークやパリなどの国際的な都市では、“文化的価値のあるモノ”として高く評価され、販路拡大の足掛かりとなりました。
日本独自の“美意識”が海外の心をつかんだ
日本独自の「わび・さび」を感じさせる繊細なデザインや手仕事の技術は、海外バイヤーにとって非常に新鮮で魅力的に映ります。同社の茶筅もその一つで、実用品としてだけでなく、装飾品や贈答品としてのニーズも生まれました。Japan Streetは、ただ売れる製品を見つけるだけでなく、日本文化の“価値”を理解するバイヤーとマッチングできる場であることを、この事例は示しています。
5. バイヤー側からの評価:「探していた製品がここにあった」
香港、スイス、韓国のバイヤーの声
Japan Streetを利用している海外バイヤーからは、「日本に行かずに優良な仕入先と出会えた」「ローカルでは手に入らないユニークな商品に出会えた」といった評価が寄せられています。香港やスイス、韓国など、幅広い国・地域のバイヤーが、JETROの紹介を通じてJapan Streetを知り、リモートでの仕入れ活動を行っています。日本製品への信頼が厚い地域では、バイヤーの利用が継続的に増加しているようです。
他のプラットフォームでは出会えなかった商品との接点
AmazonやAlibabaなどの汎用的なプラットフォームでは見つからない、ニッチで高品質な日本製品に出会えるのがJapan Streetの魅力です。日本の中小企業が持つ独自の技術や地域資源を活かした製品が集まっており、バイヤーにとっては“まだ海外で流通していない魅力ある商品”との出会いの場になっています。これまでの購買ルートとは違う、新たな調達チャネルとしてのポジションを確立しています。
無料での通訳・日程調整の安心感
海外バイヤーにとって、商談の障壁となるのが言語と調整工数です。Japan Streetでは、JETROが無料で通訳を手配し、商談日程の調整も代行してくれるため、非常に効率的にやりとりが進みます。日本側の企業も対応がスムーズで、信頼感があると評判です。こうした公的機関の介入によって、初対面でもビジネスが始めやすくなり、取引の成功率が上がっているといえます。
6. 【まとめ】Japan Streetは小さな企業が海外に出るための“実行ツール”
成功企業に共通する「スピード対応」と「現地目線」
今回紹介した成功企業に共通していたのは、バイヤーからの問い合わせに素早く対応したこと、そして現地バイヤーの視点に立った提案を行ったことです。Japan Streetはきっかけをくれるツールですが、商談を成功させるのは対応の質とスピードです。バイヤーが熱を持っているうちに動くことが、成約のチャンスを最大化する鍵となります。現地の文化や用途に寄り添った対応も重要です。
登録だけでは成果は出ない、活用のコツとは?
Japan Streetは掲載して終わりではありません。商品の説明文の英語品質、画像の見せ方、最小発注数量の柔軟さなど、実際の取引を想定した“受け入れ体制”が必要です。JETROの担当者からのアドバイスをもとに改善を重ねている企業ほど、商談数や成約率が高まる傾向にあります。積極的にフィードバックを受け取り、改善していく姿勢が成果の差につながります。
今後の販路拡大・多国展開にどう活かすか
Japan Streetは、最初の一歩を踏み出すための優れたインフラですが、JETROが提供する他の支援事業と組み合わせることで、さらに販路は広がります。China Japan StreetやJAPAN MALL、展示会支援との連携で、多国間展開も可能になります。単発の商談にとどまらず、中長期的な海外営業戦略の一環としてJapan Streetを活用すれば、持続可能な海外ビジネスの基盤を築くことができるでしょう。