難しくない!LinkedIn Sales Navigatorの基礎ガイド
この記事でわかること
- LinkedIn Sales Navigatorの基本機能と導入メリット
- BtoB営業における具体的な活用シーンと効果
- CRMと連携した営業プロセスの効率化の方法
営業先の決裁者にアプローチしたいのに、なかなか接点が持てない…。そんな悩みを抱えるBtoB営業担当者にとって、LinkedIn Sales Navigatorは強力な味方になります。
本記事では、Sales Navigatorの基本機能から、活用事例、CRM連携による効率化までをわかりやすく整理。
営業DXを進める上で、なぜこのツールが注目されているのかを解説します。
目次
1. LinkedIn Sales Navigatorとは?
無料アカウントとの違い
無料のLinkedInアカウントでは、閲覧や検索、メッセージ機能に明確な制限があります。Linkedin Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)を使うと、つながっていない相手にもアプローチできるInMailや、数千件規模の検索結果にアクセス可能なフィルター機能が利用できます。
また、保存したリードや企業の動きに対してリアルタイムで通知を受けられるため、営業チャンスのタイミングを逃しません。
さらに、関心のある業界や役職に合わせたおすすめリードの提案機能も搭載されており、営業活動全体を可視化・効率化できます。これにより、通常のLinkedInでは届かない相手にも効果的にリーチでき、営業生産性が大きく向上します。
Sales Navigatorの主要機能一覧
Linkedin Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)は、BtoB営業に必要なあらゆる機能を網羅したプラットフォームです。例えば、高度な検索フィルターを使って企業規模、役職、業種、地域、勤続年数など細かく絞り込むことができます。
InMailを利用すれば、つながりのない相手にも直接メッセージを送ることができ、返信率の高いアプローチが実現します。さらに、Smart Linksでは資料の閲覧状況が可視化され、興味関心の高いリードを見極めやすくなります。TeamLinkによって社内のつながりを可視化し、紹介営業を仕掛けることも可能。CRMとの連携機能も充実しており、営業フローの一元管理にも対応します。
Sales Navigatorの主要機能
- 高度な検索フィルター(業種・役職・規模など)
- InMail(未接続の相手に直接送信できるメッセージ)
- Smart Links(資料の閲覧履歴可視化)
- TeamLink(社内人脈の可視化)
- 保存リード/企業へのアラート通知
- CRMとの統合機能(Salesforceなど)
2.Sales Navigatorを導入すべき4つの理由
決裁者に直接リーチできる
営業で成果を出すには、いかにして意思決定者と早くつながれるかが重要です。Linkedin Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)では、検索時に役職や決裁権限を持つ人材だけを絞り込むことができ、対象となる企業のキーパーソンにダイレクトにアプローチ可能です。キーパーソンへのアプローチは営業成果に直結します。
さらに、InMailを使えば1次接続がない相手にも直接メッセージを送ることができ、紹介や間接的なやり取りを待つ必要がありません。また、アクティビティ通知機能を活用すれば、相手が自社に興味を示したタイミングでアプローチできるため、タイムロスの少ない営業活動が実現します。こうした直接的な接点獲得のスピード感が、競合との差別化にもつながります。
詳細な検索フィルターで理想の顧客に絞り込める
Sales Navigatorの検索機能は非常に強力で、50以上のフィルター項目を使って理想的な見込み顧客を特定できます。たとえば、業種、従業員規模、所在地、役職、在職期間などを組み合わせることで、自社のサービスに最も関心を持ちそうな層を狙えます。Boolean検索にも対応しており、複雑な条件も柔軟に設定可能です。
また、条件を保存することで新しい候補が出現したときに通知を受け取ることができ、リストの鮮度を常に保つことができます。こうした仕組みによって、無駄なアプローチを避け、効率よくターゲットと接点を持てるようになります。
高い反応率・商談化率を得られる
Sales Navigatorの導入企業は、一般的な営業チャネルよりも高い反応率と商談化率を実現しています。たとえば、InMailは通常のLinkedInメッセージと比較して、平均で3倍の返信率があるとされており(LinkedIn社調査)、タイミングと内容を工夫すればより高い成果が見込めます。
また、Forresterによる調査では、あるソフトウェア企業がSales Navigatorを活用した結果、全商談の75%以上がSales Navigator経由で創出され、商談から商機への転換率が40%に達したという報告もあります(出典)。
さらに、統計サイトSkrapp.ioによると、Sales Navigator利用企業は非利用企業に比べて平均17%受注率が高いとされています(出典)。このように、データに裏打ちされた成果が示すように、Sales Navigatorは「結果が出る”営業支援ツール」です。
3.LinkedIn Sales Navigatorの具体的なユースケース
Smart Linksで資料閲覧を可視化し商談化を加速
Smart Linksは、提案資料やホワイトペーパーなどの営業コンテンツの閲覧状況を可視化できる機能です。例えば、相手が資料を開封した日時や、どのページにどれくらいの時間をかけたかなど、詳細な行動が記録されます。
これにより、営業担当者は関心の高いリードを特定し、アプローチの優先順位を明確にできます。また、社内で資料が転送された場合でも、誰がアクセスしたかが追跡できるため、想定外の意思決定者にアプローチする機会も得られます。
従来はブラックボックスだった「資料を見てもらえたかどうか」という問題を解消し、商談化までのスピードを飛躍的に高める武器として、多くの企業で導入されています。送った提案資料が誰にどれだけ閲覧されたかを可視化。興味の強いリードを特定し、優先的にフォローアップできます。
TeamLinkで社内人脈を生かした紹介営業を実施
TeamLinkは、自社の同僚が持つ1次接続先の情報を可視化し、誰がターゲット企業の関係者とつながっているかを把握できる機能です。営業担当者はその関係を活用して、Warmな紹介を依頼できるため、Cold Callに比べて圧倒的に高い商談率が期待できます。
社内のつながりを最大限に活かすことで、これまで接点がなかった企業にも間接的な信頼関係を構築しながらアプローチできるのが特徴です。また、TeamLink Extendを活用すれば、営業部門以外の社員ネットワークも営業資産として活用可能になります。
高度な検索と保存リストで有望リードを継続管理
Linkedin Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)では、詳細な検索条件を使ってターゲットを抽出するだけでなく、検索条件の保存機能やリードリストの管理機能も充実しています。保存したリードはタグ付けやメモで管理できるため、対応状況や温度感をチームで共有しやすくなります。また、リードに関する最新情報がフィードに流れてくるため、タイミングを逃さずコンタクトを取ることができます。
保存した検索条件に基づいて新たな該当リードが現れた際には通知も届くため、常にフレッシュなターゲットを維持できます。これにより、単発的なリスト活用にとどまらず、継続的な営業アプローチを可能にする仕組みが整います。検索条件を保存し、継続的に新しいターゲットをウォッチ。保存リードにはアラート設定も可能で、投稿や転職などの変化も追跡できます。
アラート通知で接触タイミングを自動で把握
Sales Navigatorは、保存したリードやアカウントに対して、さまざまなアクティビティ情報をアラートとして通知してくれます。たとえば、相手が新たに投稿した、プロフィールを変更した、昇進した、会社がニュースに取り上げられたなど、営業上の接触タイミングとなる行動をすばやく把握できます。
これにより、「今が連絡すべき瞬間」を逃さずアプローチが可能になります。また、閲覧履歴や反応があった場合の通知もあり、相手の関心度をリアルタイムで把握できるのも大きな強みです。通知を見逃さず即時アクションをとることで、成約率を高める「営業の自動感知機能」として活躍します。「転職」「昇進」「投稿」などのアクティビティ情報を自動で検知。連絡を取る最適なタイミングを逃さずアプローチできます。
4.LinkedIn Sales Navigatorのプランと料金
Linkedin Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)には、企業の営業体制や導入目的に応じて選べる3つのプランが用意されています。
基本機能を個人で活用できるCore、チームでの共同活用に適したAdvanced、CRMなど他システムと連携可能なAdvanced Plusという構成です。それぞれのプランには、営業フローに最適化された機能が段階的に搭載されており、企業の成長や営業戦略に合わせて選択・拡張することができます。
Sales Navigatorの4つのプラン
- Core:個人営業担当向けの基本プラン。InMail、度検索など主要機能を搭載。
- Advanced:チーム向けプラン。Smart LinksやTeamLink、使用状況レポートなどが追加。
- Advanced Plus:CRMとの完全連携機能を搭載。大規模導入やデータ統合が求められる企業向け。
※参考価格(2025年時点):Coreで月額約15,000円~。年間契約やチーム導入で割引あり。
5.企業の活用成功事例
成功事例①:SAP APJ(エンタープライズソフトウェア)
SAPのアジア太平洋地域法人(SAP APJ)は、営業組織全体でSales Navigatorを導入し、ソーシャルセリングの実践とトレーニング体制の整備に取り組みました。
その結果、営業担当者のSocial Selling Index(SSI)スコアは業界平均を大きく上回り、Sales Navigatorの活用により売上パフォーマンスが55%向上、商談クローズ数は非ユーザーの3.6倍に達するという成果が報告されています。
こうした成果は、トレーニングを仕組み化し、継続的な活用を全社的に推進したことによるものであり、営業組織におけるデジタル活用の成功例といえます。また、Sales Navigatorが単なる検索ツールではなく、営業戦略を支える基盤として機能していることがよく分かる事例です。
成功事例②:Hyatt Hotels(ホスピタリティ)
グローバルホテルチェーンであるHyatt Hotelsは、Sales Navigatorを営業チーム全体に導入し、対面中心だった従来の営業スタイルから、ソーシャルセリングを活用したデジタル営業への移行を実現しました。
導入からわずか3か月で6,200件のリードを保存し、2,600件の新規接続を獲得するなど、定量的な成果も明確に表れています。また、社内でSales Navigatorの活用状況を可視化・共有する文化も根づいており、個人プレーに陥りがちな営業スタイルを、チーム全体で顧客接点を強化する体制へと変革しました。従来の業界イメージを覆すようなBtoB的な営業戦略への転換が評価されています。
成功事例③:Gainsight(SaaS)とBaumer Group(製造・B2B)
Gainsightは、カスタマーサクセス分野に特化したSaaS企業です。Gainsightは、Sales Navigatorを活用してアカウントマネージャーがより早い段階でキーパーソンと接点を築けるようにした結果、顧客開拓のスピードと質が大幅に向上しました。
一方、産業用センサーメーカーのBaumer Groupは、展示会や既存チャネルに頼った営業から脱却し、Sales Navigatorを導入することで欧州およびアジア市場におけるターゲット企業へのリーチを強化。現地法人が主導する新規アプローチにより、見込み客の発掘と育成の両面で効果を発揮しています。業種は異なりますが、両社ともにSales Navigatorを営業基盤として戦略的に活用しており、B2B営業の高度化に成功した好例です。
6.Sales NavigatorとCRMの連携活用
Sales NavigatorはCRMと連携できる?
Linkedin Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)は、Salesforce、HubSpot、Microsoft Dynamics 365など、主要なCRMとシームレスに連携することができます。これにより、営業担当者はCRM上から顧客のLinkedInプロフィールを確認したり、Sales Navigatorで保存したリードやInMailの履歴をCRMに自動的に同期させることが可能になります。
手動入力の手間が省け、データの整合性も保たれるため、営業活動の一貫性が向上します。また、LinkedIn上での役職変更や転職などの情報もCRMに反映されるため、常に最新の営業判断ができる環境が整います。これらの機能は、営業フローの効率化だけでなく、精度の高い顧客管理・アプローチの土台としても大きな価値を発揮します。
連携で実現できること
Sales NavigatorとCRMを連携することで、営業活動全体の効率化と精度向上が実現します。特に以下の5つのポイントで業務改善に直結します。
Sales NavigatorとCRMの連携活用メリット
- LinkedInプロフのCRM表示
CRM上で顧客の最新のLinkedInプロフィールを確認しながら営業戦略を練ることができる。 - InMail・メッセージの自動ログ
LinkedInでのやりとりがCRMに自動反映され、進捗確認やチーム間の引き継ぎがスムーズに。 - リード・アカウントの自動同期
Sales Navigator上で保存したリードやアカウントをCRMに直接同期。データの二重管理を防止。 - アクティビティ履歴の一元化
営業接点の履歴がCRMに集約され、誰がいつ何をしたかが明確に記録される。 - 最新情報による営業判断
役職変更や転職情報がCRMにも通知され、アプローチのタイミングを逃さず最適な提案が可能に。
これらの機能により、Sales NavigatorとCRMの連携は、単なる効率化ではなく、営業の精度と再現性を高める戦略的な施策として重要な役割を果たします。
7.まとめ
本記事では、Linkedin Sales Navigator(リンクトイン・セールスナビゲーター)の基本機能から、導入メリット、実際の活用事例、さらにはCRM連携による業務効率化までを包括的に解説してきました。BtoB営業においては、単なるリストアップや送信ツールにとどまらず、戦略的なターゲティングとタイミングを可能にする「営業のインフラ」として活用できるのがSales Navigatorの魅力です。
特に、決裁者への直接アプローチ、行動トリガーに基づく通知、CRMとの統合による一元管理といった機能を活用すれば、営業の成果と再現性を大きく高めることができます。さらに、Smart LinksやTeamLinkなど、これまでにない可視化と連携の仕組みが、より質の高い営業活動を支えます。
これから営業DXを推進する企業にとって、Sales Navigatorは最初に検討すべきツールのひとつです。まずは無料トライアルから導入し、自社の営業スタイルに合った運用を検証してみてはいかがでしょうか。

監修者紹介
中島 嘉一 代表取締役
SNSリンク:https://linktr.ee/nakajima
株式会社コスパ・テクノロジーズ 代表取締役。
愛媛大学情報工学部卒業後、船井電機にて中国駐在し5,000人規模の組織管理とウォルマート向け海外営業を担当。
上海で起業し通算10年の中国ビジネス経験を持つ。Web制作・デジタルマーケティング歴13年以上で現在は英語圏・中華圏を中心とした海外展開支援のスペシャリストとして活動。
多言語Webサイト構築、越境EC、SNS・広告運用を駆使して企業の海外顧客開拓から、国内向けWebサイト制作・ブランディングまで、戦略立案から実行まで一貫サポート。
海外ビジネスに関するセミナーやイベントに登壇するほか、SNS総フォロワー5万人以上、中小機構海外販路開拓アドバイザーとして中小企業から上場企業まで幅広く支援実績を持つ。