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まだある衝撃弾、KOVE

2023.02.09
高畑龍一





BYDが発表したEVとその事業計画が話題になっている。自動車ジャーナリストからも高評価が集まっており、「すぐには売れないが、将来は日本車のライバルになる」との見方が多い。

440万円「ATTO 3」中国製EV・BYD日本上陸の先兵
https://toyokeizai.net/articles/-/649626

しかし、もっと衝撃的なのはKOVEというバイクだ。

ダカール完走マシンがほぼママ128万円で買える、KOVE 450RALLY日本導入決定
https://www.off1.jp/_ct/17600324

日本ではほとんど知られていないが、いわゆる本気のオフロード・マシンである。

衝撃ポイントはいくつがあるが、まずは今の時代にバイクなんですかということ。自動車に比べてバイク市場ははるかに小さい。しかも、電動バイクならぬエンジンのバイクだから、第三世界を勘案しても今後市場が急拡大するとも思えない。大市場を目指すとブチ上げて大量の資金を集めて一気にシェアを取りにいくのが中国式かと思いきや、全く違う。趣味性が高いニッチな分野に全力投球する人がいるのだ。

次に強敵に立ち向かっていること。ただでさえ小さなバイク市場のうちオフロード・バイク市場はごく一部。ここはKTM(オーストリア)やホンダなどの日欧メーカーの牙城である。ここに割って入ろうとするのは普通に考えれば正気の沙汰ではない。ただし、アニマルスピリット全開だから、ごくフツーに挑戦しているだけなのかもしれない。

さらに、モノが極めて良さそうだということ。かのパリダカに3台が出場し、3台とも完走してしまったのだ。ほぼフルスロットルで5,000km。エンジンも車体も戦略もサポートも、どれもが高次元にあるという証左だ。他社のバイクをバラして真似したレベルであれば、エンジンが壊れたりフレームが折れたりすることは免れない。見た目はともかくも、かなり本気で開発したと思われる。

日本企業は「品質やテイストが求められる分野は日本の聖域」などと言っていられない。多くの分野がスマホや家電のようになってしまう可能性がある。品質やテイストを超えた何かを究めて訴求した方がいいと思います。

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